ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

アップに重要となる。トラウマ経験がPTSDに進行するかにはさまざまな要因が影響する。4.急性ストレス障害ASD災害後、1か月以内には、さまざまな精神医医学的症状がみられるが、急性ストレス障害ASDが災害対応チームが最も遭遇する症状である。DSM-Ⅳ-TRによれば、交通事故や暴力犯罪で初めにASDと診断された犠牲者の80%が後にPTSDと診断されているが、トラウマティックな出来事に暴露後のASDの有病率はばらついている。症状の特徴は、トラウマ経験後1か月内に生じ、2日以上継続する、不安、解離、その他の症状の発生である。DSMによる診断基準が示されている。(トラウマ経験があり、その時に強い恐怖や無力感、戦慄があったことを前提として、再体験、回避と麻痺、覚醒亢進が1か月以上で、苦痛や機能障害をもたらしていること)。5.外傷的ストレス後障害PTSDPTSDは深刻なストレッサーへの反応であり、特定の行動で特徴づけられる。有病率は、一般人口の3-6%とされる。診断基準はDSMにあるが、生命の危機などのトラウマ経験があること、その時に強い恐怖や無力感、戦慄があったことを前提として、ASDと共通の症状の基準がある。精神医学的障害と異なり、PTSDは生物学的原因をもたない正常な人がトラウマ経験をすることで生じる。長期的な追跡研究では、10代の時に船舶沈没災害に遭った集団の追跡研究では追跡期間中のいつかにPTSD症状のあった人は52%であった。子どものPTSD子どもたちのPTSDの臨床像は、さまざまな症状を示していて、かなり多様である。したがって、DSMでも、子どもについては別に取り上げられている。PTSDだけが生じることはまれであり、これは、発達的に敏感な時期に経験することによると考えられる。最近では、子どものための信頼性のある尺度なども開発されて研究が進んでいる。6.特別な集団への介入1)子どもたちと若者への介入子どもの発達レベルに合わせて明確で分かりやすい言葉を用いることや、腰を落として目線を合わせることが重要である。行動的・言語的な退行は正常な反応である。2)子どもの災害メンタルヘルス運用指針(NCDNH CONOPS)アメリカ子どもの災害メンタルヘルス運用指針は、子どもと家族の総合的なメンタルヘルス資源を育成するために、コミュニティ、地域や国が、レジリエンスを強める方法を示している。そこでは、準備、対応、回復の運用を「つぎめのない」方法を示している。3)高齢者- 95 -