ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

高齢者は、さまざまな挑戦を経験し、うまく対処した経験があるかもしれないが、中にはそうではなく、脆弱な人もいる。4)精神障碍者避難所は、通常大勢の人たちが集められ、プライヴァシーもほとんどなく、騒がしく、慌ただしい。すでに精神障害のある人にとっては、この条件は症状をひどくする可能性があり、特別な配慮が必要である。5)文化、民族、宗教のサブグループ文化、民族、宗教のサブグループに対して活動する場合には、例えば、だれが家族の長であり、意思決定者なのかという、家族メンバーの役割に対して敏感であることが重要である。6)災害救援者災害救援者は、災害そのものから、また、災害対応によっても、トラウマ経験につながるストレスを受けやすい。しかし、救援者は、「弱い」ことをみせないために、そのことを否定することも多い。以下のPFAのコア活動が参考になる。1接触と関与、2安全と安心、3平穏化、4情報収集:ニーズと関心、5現実的援助、6社会的サポートとの連結、7対処の情報、8関連サービスとの連携7.移行のマネジメント災害対応において起きる、大きな移行のひとつは、動員解除である。10分の情報説明の後、20分の休息と食事が与えられ、援助者は強烈な環境から、日常に帰っていく。メンタルヘルスの介入で最も問題なのが災害の1から2か月後である。この時期には、基本的なニーズが満たされ、社会的サポートが低下し、関心も薄れて、心理的苦悩が最も明らかになるからである。オクラホマ市の場合にも、直後の赤十字の対応から、州の持続的な対応への意向が困難であった。8.悲嘆やストレスが歪む時メンタルヘルスサービスは、初めの衝撃後も長期にわたって継続する。レスキューや災害救援者が動員解除された後も、悲嘆・トラウマカウンセラーが活動する必要がある。精神医学的障害と診断する目安は、悲嘆症状が極めて強いこと、あるいは、社会的、職業的、日常生活の障害がひどいことである。災害後には、いろいろな種類の精神医学的障害がみられるが、最も一般的なのがPTSDであり、夫婦間不破、家庭内暴力も増加する。9.外傷的悲嘆(複雑な死別)悲嘆がトラウマティックであるとされるのは、突然で暴力的な喪失で、極端で強力な感情的苦- 96 -