ブックタイトル平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ページ
99/178

このページは 平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書 の電子ブックに掲載されている99ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

平成25年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

悩が伴うものであるという場合である。このような場合には、悲嘆は治まることがなく、圧倒するものとなる。罪悪感が生じ、強い怒りも生じる。悲嘆には、慢性悲嘆、遅延性悲嘆、仮面性悲嘆の3種類がある。悲嘆では自尊心は低下しないが、外傷性悲嘆では無価値と感じるのが一般的である。複雑な悲嘆とうつとを結び付けるものとして以下の基準がある。1死に際して、何かをしてしまった、何もできなかったという罪悪感、2自分も一緒に死ぬべきだったという考え、3価値がないという病的な思い込み、4著しい精神運動的遅滞、5長期にわたる顕著な機能障害、6幻覚。一般の死別とは異なり、複雑な死別はPTSDのリスクをかなり高くする。抗うつ剤や抗不安剤による治療には効果があり、後続する機能障害を予防する。一般の悲嘆の治療:分離の葛藤の解決に焦点を当てて、悲嘆の作業を完了する。外傷的悲嘆の治療:症状を改善する認知行動療法。1)ASDとPTSDの治療におけるエビデンスに基づく実践ASDに対する災害直後の認知行動介入は、その後の外傷後症状を予防することに役立つことが示されてきた。PTSDの治療は、詳細な評価と治療計画の開発から始まる。PTSDの治療は、完全にトラウマや災害の場面から安全に離れた時に開始される。PTSDの治療は、経験のある専門家によって、CBTと暴露療法を含むものが実施される。薬物治療は、不安、うつ、不眠症の改善をもたらす。EMDRは、比較的新しい治療法であるが、外傷的な記憶の治療に用いられ、CBTと暴露療法の一環として実施される。その他の治療法(集団療法、短期精神力動療法)は効果があるのかもしれないが、実証したデータがない。ガイドラインによるASDとPTSDの治療法は、(1)臨床データがある推奨される治療法:認知行動療法、心理教育、支持テクニック(2)やや臨床データがあり推奨される治療法:暴露療法、EMDR、イメージ・リハーサル、心理力動治療、ストレス免疫訓練(3)場合によっては推奨されるかもしれない治療法:親中心集団療法、トラウマ焦点集団療法(4)推奨できない(データなし):心理的デブリーフィング、一回のみの技法2)介入と治療への接近としての電子技術の活用日常生活の中の電子技術の実用化が進んできたので、これらのツールを介入や治療の援助として用いる可能性がある。スマートホンでうごくアプリで「PTSDコーチ」などがある。10.緊急事象のストレスマネジメント(CISM)Mitchellによる総合プログラム。心理教育などから成り、デフュージング、CIDS(CriticalIncident Stress Debriefing)を含む。1)心理的デブリーフィングCISMの中心はCISDであり、これには論争がある。CISDは、情報を共有することを通じた- 97 -