ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

研究参加者4名の訪問看護師は、女性4名で看護師平均経験年数は21.9年(6~39年)、訪問看護平均年数は9.1年(2~14年)であった。面接時間は、1事例につき平均35.2分(20~60分)であった。対象者である終末期がん患者8名のデータが得られた。対象者は平均年齢78.9歳(59~95歳)、男性4名、女性4名、訪問看護提供期間は平均13.1日(範囲:4~45日)であった。予後理解の程度は、対象者5名が不十分、評価不能は2名であり、予後理解ありの対象者は1名のみであった。また、家族では6名が不十分であり、予後理解ありの家族は2名のみであった。希望死亡場所について、対象者6名が自宅を希望していたが、家族は1名を除き、病院または未確認・未決定の状況であった。対象者と家族の希望死亡場所の不一致は7ケースもあり、残りの1ケースは未確認であった。b.死亡場所の意思決定支援の構成要素(a)予後理解を促す支援の構成要素死亡場所の意思決定支援のうち【予後理解を促す支援】として、【余命告知の確認】、【未告知の対応】、【余命の理解度の確認】、【生活上に関する予後の説明】が構成要素として挙げられた。【余命告知の確認】、【余命の理解度の確認】とは、生命に関する予後について医師からの説明を受けているかどうか、説明されていたときには、それを患者や家族がどのように理解しているかを確認することである。具体的には、「告知されているかどうかは、退院時カンファレンスで確認します。(中略)それをどのように理解しているか・・・医師は、“これからどうしたい?”と初回に確認をしてくれることが多い。医師の初回訪問時にできるだけ同行訪問をし、“I先生は、Jさんに残された時間は少ないけど一緒に頑張りましょう、とおっしゃられましたがJさんはどう思われますか?”と、医師が使ったそのままの言葉を利用して余命の理解の確認するようにしています(研究参加者3)。」と語られた。訪問看護師は退院時カンファレンスや病棟からの引継ぎにより余命告知の有無を確認し、医師が使ったそのままの言葉を利用して余命の理解を確認していた。【未告知の対応】とは、生命に関する予後について医師からの説明を受けていないとき、医師に対して説明をするよう依頼したり、患者に説明することを拒否する家族に対して必要性を理解できるように働きかけることである。具体的には、「家族が、本人がそれを聞いてしまうと気が小さいというか弱い方なので、精神的に崩れてしまうのではないかという所の不安があり、告知をしないと言う事で言われていたん114