ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

紙”を使用して利用者様に“これからどこで過ごしていきたいですか”と質問し、希望死亡場所を確認するようにしています(研究参加者3)。」と語られた。訪問看護師は家族の希望、不安により患者の希望死亡場所である自宅を受け入れられなかったケースに対して、家族に「病院での医療の限界」や「自宅でも病院と同様の医療が受けられること」について説明を行い、繰り返し希望死亡場所の確認を行っていた。また、初回訪問時に「アセスメント用紙」を活用している事業所の取り組みが語られた。【家族調整】とは、患者および家族の希望死亡場所の不一致がある場合に、家族に対して何らかの支援を行うことである。具体的には、「(訪問看護師が)“多分そろそろですよ”ということを家族に説明したとき、本人は病院に行かないと言っているけど家族は怖いから病院がいいのではないかという話をしていました。その時“どうして病院がいいと思うのか”と娘さんに聞いたら“怖いから”と、“お家で亡くなっていたら周囲の目もあるし、どうして病院に連れていかなかったのと言われたらどうするの?”という話もしていました。1度ご家族が集まって話をしましょうということで、兄弟姉妹を呼んでその人達と話をしていたら長女さんが“この状態だとお家でいいんじゃない?”と(対象者G)。」「お互いに探り合っているご本人・家族の中に入って、ご本人は今こういうふうになりたいと思っているというところと、家族が不安に思っていること、家族が望んでいることを言葉にして、お互いに共有できるような場面づくりというのが訪問看護に必要だと思います(研究参加者3)。」と語られた。訪問看護師は患者および家族の希望死亡場所の不一致があるケースに対し、病院がいいと考えている家族の気持ち、および患者が考えている希望死亡場所を言葉にすることや、家族全員が集まる機会を設けることで患者・家族が希望死亡場所を共有できるような場面作りをしていた。これにより、患者と家族の希望が一致し、患者の希望の実現につながっていた。【希望死亡場所の確認】、【家族調整】をした5名で患者と家族の希望死亡場所の不一致(A, B, C, G, H)が解消し、患者の希望していた自宅での死亡が実現していた。c.死亡場所の意思決定支援の関連要因(a)死亡場所の意思決定支援に関する看護師要因死亡場所の意思決定支援に関する看護師の関連要因で文献検討と一致したものは、促進要因として「経験(終末期がん患者の看護)」、促進と阻害の両側面がある要因として「予117