ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

b.死亡場所の意思決定支援(a)予後理解を促す支援全患者38名のうち、患者25名(65.8%)・家族33名(86.8%)に医師および訪問看護師のいずれかが予後理解を促す支援を実施した。そのうち、訪問看護師が説明をしたのは患者3名(61.7%)・家族6名(85.2%)であった。訪問開始時には患者9名(23.7%)・家族24名(63.2%)、死亡および入院直前には患者11名(28.9%)・家族26名(68.4%)に予後理解の程度を確認し、死亡および入院直前の予後理解の程度は患者3名(7.9%)、家族8名(21.1%)が理解十分であった。(b)希望死亡場所の確認訪問開始時に患者30名(78.9%)・家族34名(89.5%)、死亡および入院直前には患者35名(92.1%)・家族38名(100%)に希望死亡場所を確認した。c.死亡場所の意思決定支援と希望死亡場所実現との関連次に、死亡場所の意思決定支援と希望死亡場所実現の関連を検討した。医師および訪問看護師による予後理解を促す支援(訪問看護師のみの実践は3名と少ないため、この予備調査では医師および訪問看護師による実践で分析をした)の有無、希望死亡場所の確認の有無を従属変数として希望死亡場所実現との関連をフィッシャーの正確確率検定で検討したところ、予後理解を促す支援を実施することの関連はみられなかったが(p=0.263)、希望死亡場所の確認をしていると有意に患者の希望死亡場所での死亡が実現する(p=0.014)という結果が示された。d.死亡場所の意思決定支援の関連要因(a)予後理解を促す支援の関連要因医師および訪問看護師による予後理解を促す支援に関連する要因としてχ2検定、フィッシャーの正確確率検定、t検定のいずれかで検討したところ有意な関連および有意な傾向が示されたのは、副介護者が同居していること(p=0.050)、患者に余命の告知がされていないこと(p=0.072)、患者に認知機能の障害がないこと(p=0.024)、医師の患者・家族への態度が優れていること(p=0.075)の4項目であった。(b)希望死亡場所の確認の関連要因希望死亡場所の確認に関連する要因としてχ2検定、フィッシャーの正確確率検定、t検定のいずれかで検討したところ有意な関連および有意な傾向が示されたのは、訪問看護師の年齢が高いこと(p=0.029)、看護師・訪問看護師経験が長いこと(p=0.045, p=0.013)、常勤看護師数が多いこと(p=0.013)、訪問開始初期に家族の不安および介護負担が少ないこ119