ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

ランティアとしての実習体験も導入できたことから、介護サポーターとしておさえるべき知識と技術、および受講生の学習ニーズも把握できつつある。老人保健施設実習での体験技術には、食事介助や移動・移送、見守りが多かった。特に食事介助は、誤嚥・窒息の危険を伴うことから、知識とともにより正確な技術を学ぶ必要があったため、講座を追加し2回行うことにより、実習体験者は、実体験を元により安全な技術を身につける機会になったと考える。来年度は、今年度のプログラムをベースにすすめることで、介護サポーターに必要な知識・技術は網羅できるものであり、かつ、参加者にとっても実用可能性は高いといえる。また、日常生活においても、施設でボランティアを実施する上でも、認知症の方との関わりとコミュニケーションに関する学習ニーズが高い。市役所の他部署には、認知症サポーター養成講座とゲートキーパー養成講座があるが、管轄部署が違うため、本講習会とは別の事業として動いていた。来年度よりこの2つの講座を、本講習会の一部に盛り込むことが市役所より提案された。市役所の部署間の連携強化、事業整理、さらには、市役所の職員が役割を担い講習会を少しでも担当することから将来的には完全にイニシアチブを市役所がとっていく基盤としても、成果は大きいといえる。(2)ボランティアの位置づけ今年度、老人保健施設など、2施設が介護サポーターをボランティアとして受け入れを行った。ボランティアとして、何がどこまでできるのかを明らかにしておくことが昨年度からの課題であり、参加者の保険にもなると考え、講習会プログラムの整理をおこなった。これにより、介護サポーター養成講座の内容を施設側に理解して頂くことができ、ボランティアとしての役割の明確化と受け入れ側の安心にもつながったと考える。一方、受け入れ施設側は、特に、専門的な事をボランティアには求めておらず、「いつもと違う人が施設に出入りすることで利用者の刺激にもなるのでありがたい」という話しも聞かれた。介護の知識・技術、経験がなくても、懐かしい歌を一緒に歌ったり、お話相手になったり、手作業を行うだけでも、ボランティア活動は可能である。しかし、施設でボランティアをすることが本講習会の目標ではなく、あくまで実習体験として位置づけることが必要である。ボランティアとして施設での介護の実体験を通し、介護についての自信をつけ、地域で介護が必要な方のサポーターになられるよう支援していく必要がある。(3)参加者のニーズと意識の変化参加者が、本講習会に求めるニーズは、日常生活や仕事において、介護経験があるが、復習のため、さらなる知識を得るために参加する人、地域の高齢者を気に掛け、何か役立ちたいと思い、そのための知識を得るために参加する人、自身の余暇18