ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

を有効に使うため参加する人、いずれ介護を受ける立場になるから、今できるボランティアをするために参加する人、介護予防のために参加する人など、様々であった。参加者の中には、「前回の講習会の内容を介護者の方に教えました」と“介護のちょっとしたチエやコツ”を地域に伝える普及の役割も果たされていた。このように、学習ニーズは様々であっても、住民それぞれのニーズに合わせ、介護の一端を学び、地域に介護知識・技術をもった人材が増え、その人なりの活かし方をしていくことが、将来的な地域の介護力の向上につながると考える。プログラムは、1年間で一連の内容を網羅できるように計画しているが、継続的に参加できる人、断続的になってしまう人、様々である。参加者は、専門職のように「完璧にできなくても一度聞いた事があるのとないのとでは違う」「自分にもできることがあると思うようになった」など、【少しの学習や経験を積むことで自信がつく】という体験をされ、「ちょっと知っていると何か一つ簡単なことでいいから覚えていたら助けることができる」「全部でいなくても、ちょっとできることをすればいい」【少しでも何かができることが大切】というように、学習経験を通し、意識の変化がみられるようにあった。介護ボランティアとして必要な能力を保証する上でも、すべての講座に出席してほしいと考えていたが、断続的であっても、参加者の学習ニーズは満たされ、ほんの少しの自信につながっていた。参加者は、ソーシャル・キャピタルアンケートの結果からも、日常的に複数のボランティアに参加するなど、ボランティアをはじめ、また地域での活動に対しモチベーションの高い集団である。ソーシャル・キャピタルが豊かであれば、市民活動への参加が促進されるとともに、それらの市民活動を通じて、ソーシャル・キャピタルがさらに培養される(厚生労働省,2012)。参加者が自信をもって、自分にできるほんの少しのことが、少しずつ増えることにより、地域の輪が広がっていくような正のサイクルをうむきっかけとなり、大きな地域力になっていくのではないかと考え、この力を支える行政の基盤作りの重要性は高い。(4)事業評価本事業では、住民自らが地域の問題解決に意識を持ち、取り組んでいけるよう、地域の高齢化・介護問題をテーマにしたワークショップからスタートした。このことは、住民にとって地域で介護力をつけていくことの必要性に対する意識付けになったと考えるが、課題解決に対するアイデアやその実現は、当然行政のサポートが必要になる。高齢化が一段と進む2025年に向けて、在宅医療の充実と医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した包括的な支援(地域包括ケアシステム)の構築や、要介護状態になる高齢者が減?し、自立した高齢者の社会参加が活発化する介護予防を推進することとされており、社会保障を維持・充実するために「支19