ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

教育・研究事業報告書1.教育・研究事業テーマ臓器組織の教育用立体モデルの制作-看護専門基礎教育における3Dプリンターの活用と画像アーカイブ構築の試み-2.教育・研究事業組織教育・研究事業代表者:日本赤十字豊田看護大学・教授・黒川景3.要旨組織学は、人体の肉眼レベルの構造と、機能に直結する分子レベルとをつなぐ階層を扱うことから、病態生理の理解の1つの鍵となる学問領域である。しかし、器官・臓器の組織構築は、通常平面による観察手法をとるため、初学者にとって立体構造の把握は容易ではない。共焦点レーザー顕微鏡で撮影した画像から組織の立体像を構築し、教育用の立体視画像の制作や、3Dプリンターによる立体モデルの出力法を検討した。臓器ごとにレーザー光の励起および検出波長を調整することにより、蛍光色素による染色を行わない組織の自家蛍光による撮影でも、ある程度の良好な画像を得られ、3Dプリンターへ出力することが可能であった。新たな研究成果や技術的進歩を駆使した組織の視覚的な教材は、単に医療職やその教育課程を対象とするのみならず、学校の理科教育や、広く一般向けの健康教育活動にも活用できるものと考えられる。4.キーワード共焦点レーザー顕微鏡、3Dプリンター、組織学、形態機能学、医学教育5.教育・研究事業報告(1)教育・研究事業の背景・目的個体としての人体は、原子・分子レベルから、細胞、組織、器官、器官系といった複数の階層から成り立っている。組織学は、主に細胞、組織といった顕微鏡で観察されるレベルの形態を扱う解剖学の一つの領域であるが、微視的な細胞や組織の構造を理解することは、生理学や生化学といった分子レベルを含めた機能を扱う学問領域の理解と直接的につながる。しかし、器官・臓器の組織像は、教育においても、また病院で行われる日常の病理組織診断においても、光学顕微鏡、電子顕微鏡を含めて微細な構造を透過して観察するという手法上、通常平面による観察が行われ、立体構造の把握は専門家でも必ずしも容易ではない。そのため、顕微鏡レベルの形態は、実際に目にすることのできる肉眼的レベル22