ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

ンのパッチの欠損や表裏の異常といった出力用構造体としての欠陥があるとエラーとなるため、出力前にnettfabb Basic Ver. 5.2(nettfabb社)を用いて構造体の修復を行った。一般的な積層法の3Dプリンターでは、構造物に不連続の部分があると出力が不可能となるため、支持構造の付加が必要となる。今回は、精細な造形が可能なインクジェット方式の3Dプリンターで、水溶性のサポート材により、構造上不連続な部分があっても出力可能である特長を有することから、Keyence社の3DプリンターAgilistaを用いて出力を行った。(3)教育・研究事業の結果1.自家蛍光撮影におけるレーザー光の励起波長および検出波長の最適化一般に蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡は、ある特定の励起、検出波長を持つ蛍光でラベルした物質を検出するために用いられるため、細胞、組織の自家蛍光は非特異的シグナルとして、その除去法が問題となる(Baschong, Suetterlin, Laeng, 2001)。そこで透明化処理を行った標本の自家蛍光を検討したところ、レーザー光の出力、励起および検出波長を調整することにより、組織の構造や、条件がよければ細胞のある程度の形態を観察することが可能であることがわかった。検討の結果、腎臓の組織はhelium neon (HeNe)laser 543nm励起で560nmのfilterで検出するのが、輝度とコントラストにおいて最適と判断した。肺は腎臓と同条件でも撮影が可能であったが、blue diode laser 405nmで励起し広範囲の波長で検出する方が、より鮮明な画像を得られた。肝臓はargon (Ar) laser488nmで励起し、550~625nmのfilterで検出するのが最適と判断した。2.自家蛍光撮影による肺の立体画像1)肺胞対物レンズ20倍、1画素の1辺0.311μmでxy方向2048×2048画素の平面像を、z軸方向に1μm間隔41面で立体像を構築した。ガス交換の場としてのスポンジ状構造の肺胞が観察された。2)細気管支油浸対物レンズ63倍、1画素の1辺0.14μmでxy方向1024×1024画素の平面像を、z軸方向に0.14μm間隔151面で立体像を構築した。細気管支内腔面を覆う腺上皮が、内腔に向かって突出する。レーザー光の励起によって、腺上皮の細胞質は明るく発光し、核が暗く抜けて見える。気管支の近傍に、肺動脈の分枝が並走する。肺動脈の内腔に、中央が陥凹した円盤状の赤血球が観察される。赤血球は、励起により明るく発光する。3.自家蛍光撮影による腎皮質の立体画像油浸対物レンズ63倍、1画素の1辺0.28μmでxy方向512×512画素の平面像を、z軸26