ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

方向に0.28μm間隔250面で立体像を構築した。腎小体と周囲の近位尿細管が観察された。近位尿細管の細胞質には発光がみられ、核が暗く抜けて見える。糸球体や尿細管間の毛細血管内の赤血球が、励起により明るく発光する。糸球体血管をドレナージする輸出動脈および尿細管周囲毛細血管は細く、得られた画像からは、臓器摘出時に糸球体および尿細管周囲間質はうっ血状態であると考えられた。撮影した画像から、輝度の高い糸球体血管を領域拡張法により抽出した。一連の平面像と対比させた検討から、糸球体周囲の血管との連続性を示す部分が2か所認められ、輸出動脈および輸入動脈に相当する血管を認めた。両者の同定は、撮影範囲外にある糸球体の上流にある動脈との連続性を検討する必要があるが、得られた画像から太さに差があり、教科書的に輸入動脈の方が輸出動脈より太いとされていることから、太い方の血管が輸入動脈と考えられた。4.自家蛍光撮影による肝臓の立体画像1)グリソン鞘周囲油浸対物レンズ63倍、1画素の1辺0.28μmでxy方向512×512画素の平面像を、z軸方向に0.28μm間隔140面で立体像を構築した。グリソン鞘にみられる門脈、胆管、肝動脈の分枝が並走しているのが観察できる。3者のうち最も径が太いのが門脈で、肝動脈は門脈に比べて極めて細い。胆管には核が暗く抜けた立方状の腺上皮が観察される。門脈や肝動脈内の赤血球は明るく発光し、門脈内に中央が陥凹した円盤状の赤血球が観察される。2)中心静脈周囲1と同条件で撮影し、z軸方向69面で立体像を構築した。中心静脈の周囲に、索状に並ぶ肝細胞が観察される。肝細胞索間には類洞(洞様毛細血管)が認められ、中心静脈に注ぐ。類洞のドレナージ血管である中心静脈は、赤血球に対して十分な太さがあることから、得られた画像からは、臓器摘出時にはほぼ脱血状態と考えられ、類洞にも残存している赤血球は比較的少ない。撮影した画像を白黒反転し血管腔の領域を白に変換した後、領域拡張法により中心静脈およびの周囲の類洞のみを抽出した。肝細胞索間の類洞が、中心静脈へ合流する様子が観察される。5.蛍光抗体法による副腎髄質の血管構築核を染色するHoechst 33342をblue diode laser 405nmで励起し420~480nmのfilterで検出、Alexa 647ラベル抗CD31抗体で染色された血管内皮をHeNe laser 633nmで励起し650nmのfilterで検出した。対物レンズ20倍、1画素の1辺0.44μmでxy方向1024×1024画素で撮影した平面像のうちの1面を示す。核が青、毛細血管の内皮が赤で示されている。副腎皮質の組織がHeNe laser 633nmの励起で非特異的な発光を示したため、その27