ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

予防するための一次予防活動も重要になる。これまで脳ドックに関する先行研究をみる3と、診断に必要な頸部頸動脈超音波の必要性) 4や、未破裂脳動脈瘤の発見率)、MRIの方5)法等の「診断」に必要なものに限られていることから、受診者の一次予防を推進するためには、生活習慣の改善を目的とした、保健指導の根拠となる要因を明らかにする必要がある。本研究は、脳ドック受診者の健診情報を用いて脳血管疾患(脳卒中)発症リスクを検討し、一次予防行動の推進を目的として実施する。2)教育・研究事業の方法(1)対象A病院(秋田県南部人口約30万人を有する二次医療圏の地域医療支援病院)で、平成21年4月1日から平成25年8月30日までの間に脳ドックを受診した40歳から60歳の人。(2)データ収集方法脳ドック受診者(以下,受診者)年齢、身長、体重、BMI(Body Mass Index)、血糖値、血圧値、喫煙歴、飲酒習慣、脳ドック問診票に記載した受診者情報、脳動脈瘤の有無、実施主体について、脳ドック受診者の診療情報を用いた。(3)分析方法単純集計後,性別、年齢、血圧値、糖尿病の有無、生活習慣(飲酒歴、喫煙歴)、ブリンクマン指数について、変数間の関連性を検討した。Yatsuya Hら6)のリスクスコアを元に、脳ドック受診者の脳卒中発症確率を算出した。リスクスコアとは、リスク因子(性別、年齢、BMI、喫煙歴、糖尿病の有無、血圧値(降圧薬服薬の有無により点数が異なる)それぞれの点数(表1)を合算し、その点数によって、10年間で脳卒中を発症する確率、及び血管年齢が算出されるものである。(例えば、リスク因子の合計点数が43点の場合、脳卒中発症確率は20%以上(血管年齢90歳以上)と予測される。)(表2)。受診者の頭部MRA(Magnetic Resonance Angiography,磁気共鳴血管造影)の結果、未破裂脳動脈瘤のあった人について、その属性、リスクスコアを算出した。統計解析については以下の方法で行った。2群比較はマン・ホイットニーのU検定、カテゴリーデータはフィッシャーの正規確立検定を用いた。解析には、SPSS for windows.Ver21を用い、統計学的有意水準は5%とした。54