ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

教育・研究事業報告書1.教育・研究事業テーマ運動器看護領域における専門職的自律性2.教育・研究事業組織教育・研究事業代表者:日本赤十字秋田看護大学看護学部・講師・齋藤貴子3.要旨運動器看護領域における専門職的自律性の因子構造を明らかにし、先行する他の専門職自律性の特徴との違いを明らかにすることを目的とし、東北地方の整形外科病棟に勤務する看護師546名を対象に質問紙調査を行った。看護師の専門職的自律性測定尺度は、下位尺度ごとの得点を求め、基本属性との比較を行った。主任以上の職位、既婚が下位尺度得点が有意に高かった。経験年数の違いと整形外科経験年数の違いが下位尺度得点に影響を与えていた。また全体の質問項目に対して探索的因子分析を行ったところ、[基本的看護実践の自立][多職種や家族を含めた療養環境の調整][患者の背景のアセスメントに基づいた安寧に導く実践][整形外科特有の専門知識と技術][患者の心理的問題、情動に対する看護実践]の5因子に収束した。4.キーワード看護専門職自律性、運動器看護、因子分析、経験年数5.教育・研究事業報告(1)教育・研究事業の背景・目的人口動態や社会情勢の変化に伴い、医療モデルも変化し続けている。短縮化した在院期間の間や外来診療のわずかな時間の中で、疾病を抱えながら生活することを見越したケアが求められているといえる。さらに超高齢化は、多くの複雑に絡み合った慢性疾患を基盤としながらの急性増悪や新規罹患という疾病構造をもたらし、専門職として単一の疾病のケアでは不十分となった。包括的かつ俯瞰的視野で患者をとらえようとする専門職者の態度や、全人的ケアならびに時間概念を持ち、高い倫理的感受性をも求められるようになってきた。そこで必要となるのが、専門職的自律性である。看護師における専門職的自律性についての研究の動向は、1990年代に米国でDempsterPractice Scaleが開発されたのに端を発し、看護師の自律性を測定できる尺度が開発されていき、看護師の臨床領域による自律性の特徴についても明らかとなっていった(小谷90