ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

野;2000)。わが国における看護師の専門職的自律性を測定する尺度としては、菊地が専門職的自律性測定尺度を開発した(菊地;1997)。この尺度は、専門職的自律性は職務の遂行過程の中に表現されると考え、意志決定や行動のあり方に影響を与える要因を取り上げている(菊地;1997)。手術室看護では、外回り看護師の専門職的自律性について看護実践の特徴から因子分析にて手術室看護師の専門職的自律性が特定されている(中村;2004)。その他専門看護師(CNS)における職務上膿自律性尺度の開発(菊地,2013)など、いくつかの分野で専門職自律性の看護研究が行われている現状である。超高齢化社会を迎え、運動器疾患は要介護の大きな要因となっており、運動機能障害を抱える人々を対象とする運動器看護の責務は今後ますます増していくと考える。運動器看護における専門職的自律性について明らかにされてものはなく、運動器疾患を抱える方へ質の高いケアを提供するためには、まずは現在における運動期看護特有の専門知識に基づく運動器看護の専門性の特定すること重要な課題である。本研究の目的は、運動器看護領域における専門職的自律性の因子構造を明らかにし、先行する他の専門職自律性の特徴との違いを明らかにすることである。(2)教育・研究事業の方法対象者は、整形外科病棟ならびに整形外科外来で運動機疾患患者を日常的に看護している看護師とした。調査内容は、基本属性に関する10の質問項目は、研究者が自作した。看護師の専門職的自律性測定尺度(菊地;1997)を使用した。この尺度は47の質問項目5因子より構成され、「認知能力」、「実践能力」、「具体的判断能力」、「抽象的判断能力」、「自立的判断能力」の5因子より構成され、α係数ならびに各因子ごとの相関係数より内的整合性が保障され、その後多くの研究に引用されている(辻ら,2004.吉田,2007.今堀ら,2008.奥田ら,2012.)。また運動器看護実践の先行研究(堀之内ら;2012)から、23項目の質問内容を策定した。質問項目は70項目となり、個人特性に関する質問項目と併せて総計80項目となった。また本調査に先立ち、整形外科単科の病院にてパイロットスタディを行い、内容妥当性を検討した。質問項目ごとにリッカートスケールに回答する形式とした。なお逆転項目があるが、分析時に点数を反転化することとし、そのまま調査に臨んだ。調査手順として、東北厚生局で公開している東北地方の全医療施設データより、診療科に整形外科を標榜しかつ病床数20床以上の病院を対象とし、乱数表を用いて150施設をランダムサンプリングした。調査協力は病院の施設長ならびに看護管理者に調査依頼文を送付し、研究調査への協力の意思は研究への参加承諾書の返送にて確認した。調査協力依頼が得られたのは57施設であった。対象者の選定と質問紙の配布は調査協力施設に一任した。質問紙は無記名の個別郵送にて回収した。91