ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ページ
12/146

このページは 平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

合うことによって、大規模災害への備えと対応方法について理解を深め、防災力を高めることを目的に開催した。参加型トークセッション、黙祷、非常食の炊き出し体験、学生ボランティア報告~いま、私たちができる防災への取り組み~報告を実施した。学生60名、一般30名、教職員10名が参加した。((別紙新聞記事4))。4)考察本研究は、質問紙調査の分析結果を提出することができず、客観的なデータに基づいての考察という点では限界がある。しかし、企画を実施する中で見えてきたことについて学生の学びを一番近くから観察している教員の立場から整理しておくことには意義があると思われる。(1)主体的に行動する態度の育成とボランティア防災キャンプ自然災害では、想定した被害を超える災害が起こる可能性が常にあり、自ら危険を予測し回避するために、習得した知識に基づいて的確に判断し、迅速な行動をとることができる力を身につけることが必要である。そのためには、日常生活においても状況を判断し、最善を尽くそうとする「主体的に行動する態度」を身に付けさせることが極めて重要である(文部科学省2012)。今回、4つの企画を通して、学生たちが、教員や支部職員の指示を待つ姿勢から、自らできることを見つけて動いていく姿勢に変化したことは、ボランティア参加でのキャンプ体験によって「主体的に行動する態度」が芽生えたとみることができる。櫛田(2013)が示している、宮城ボランティアに参加した学生が「被災地の様子を伝えることも立派なボランティアだ」と被災者に言われたことをきっかけにして、自分達にできることとして、自分自身がメディアとなり、周囲に伝える行動を始めたという事例と類似する効果は、本学でも見られた。防災キャンプでの石巻訪問後に学生たちから生まれた「3.11から未来へ心に刻むいま、私たちにできることプロジェクト」の企画は、東日本大震災の被災状況を自分たちから発信し、学内や秋田の地域住民の方々へ伝えていきたいという思いから出てきたものである。自分たちにできることを主体的に考え、思いを行動に移すことができた、つまり、実際に行動する態度が育成されたとみなすことができるだろう。防災・災害教育に関しても、ボランティア防災キャンプの効果が見られた。本学では、世界的人道機関としての赤十字の歴史と伝統から学ぶ、本学ならではの防災関連の科目として、看護学部では災害看護学(必修)、赤十字原論(必修)、介護福祉学科では災害福祉論(必修)、赤十字概論(必修)、ボランティア活動論(選択)などを設定している。また、2日間に渡り災害救護訓練を全学行事として設定している。しかし、学生の参加態度は決10