ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

力の育成の重要性が示唆された。看護師が質の高いケアを提供できるためにはコンサルテーション能力であるアセスメント能力や問題解決能力、専門的知識・技術に加え、コンサルタント自身のあり方や関わり方、感受性や迅速性、パーソナリティなどを育むことが重要であった。(2)コンサルテーション論のシラバスからみた教育内容と方法シラバスに記述された教育内容・方法は、コンサルテーションの実践能力の向上をめざした系統的な内容で構成されていた。また、事例検討やロールプレイなど演習を行うことで、実践的知識の習得やコンサルタントとしての自己内省を促すものであった。教育内容は、看護のコンサルテーションを含め、看護理論や倫理、組織分析、外部コンサルテーションといった用語のように多様であった。本授業科目は、30時間2単位では、すべて網羅できないため、洗練化していく必要がある。教材(必須・参考文献)では、担当教員が自らの専門領域により、コンサルテーション論で教授する知識や技術と関連して、必須・参考文献が選択している傾向があった。担当教員は、リエゾンコンサルテーションを専門領域とする精神看護学領域の教授が多くを占めていた。また、複数の教員によるオムニバス、臨床で活躍する専門看護師が非常勤講師となって、コンサルテーションの演習など、臨床に密着した学習を担当していた。今後の課題として、コンサルテーション論を担当している教員を対象に、専門領域が異なる教員によって教育内容や方法における共通性や相違性を検討し、その教育の成果との関連を明らかにする。(3)専門看護師からみたコンサルテーションの現状と課題専門看護師は、「コンサルテーション論」で、コンサルテーションに必要な専門的知識や技術などアクティブ・ラーニングで学び、アセスメント能力や問題解決能力を習得していた。専門看護師は、コンサルタントを役割として、対等な関係形成やコンサルティの意思決定を尊重するなどコンサルテーションマインドを発揮し、主体的に積極的にそして果敢に取り組む様相が明らかになった。また、実習でコンサルテーションを見学・実施するためには、学生自身の能力のみでなく、実習指導者の関わり、実習施設の管理者やスタッフの理解など実習環境の調整の重要性を言及した。専門看護師は、コンサルティとの人間関係形成や積極的に対象にアプローチしていく変革推進力の重要性を述べ、コンサルテーション能力を高めるために継続した学習の必要性を実感していた。コンサルティや組織への課題では、コンサルテーションの基本的な理解および質の高いケアを行うためのシステムの構築を期待していた。また、専門看護師は、コンサルテーションを行うための時間の確保が可能となる勤務配置を希望しており、コンサルテーション121