ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

の広報活動は、病院全体で取り組む必要性が示唆された。専門看護師の約60~70%が施設内外での看護管理や施設運営に対する助言ができていないと回答していた。この結果から、組織、地域社会などを対象としたコンサルテーション能力が未熟であること、看護管理や施設運営に対するコンサルテーションを経験が少ないと推察された。(4)専門看護師教育課程の「コンサルテーション論」の教育内容と方法への提言専門看護師教育課程の「コンサルテーション論」の教育内容と方法は、専門看護師のコンサルテーション能力を育成するために、これまでの研究成果から新たに検討する必要性が示唆された。次の点を考慮して試案を作成する。1専門看護師教育課程における「コンサルテーション論」の到達目標、大学院修了時の専門看護師に必要なコンサルテーション能力から、教育内容・方法を具体的に検討する。専門看護師教育課程の「コンサルテーション論」のみで、専門看護師としてコンサルテーションを実施できるまでの能力を育むことは不可能である。看護基礎教育から大学院教育そして継続教育との連続性を考慮した一貫性がある教育プログラムを検討する。2専門看護師は、専門看護師が行うコンサルテーションの特徴を理解し、コンサルティとの関係性を基盤として問題の本質にアプローチできる能力を必要としている。そのためには、まず一般理論であるコンサルテーションと看護コンサルテーション、専門看護師が行うコンサルテーションとの共通性、相違性を検討し、看護コンサルテーションの概念、構造やプロセスを明らかにすることである。3専門看護師教育課程の「コンサルテーション論」は、基本的な知識と技術とし、アクティブ・ラーニングによりコンサルテーションの実践的知識や技術を学習する。とくに、コンサルテーション事例、コンサルテーション場面の動画教材、コンサルタントとして自己内省を促すロールプレイなどで、臨床に密着した場面を想定した問題解決型の学習を行う。個人、集団、組織、地域社会および他職種を対象とした専門看護師によるコンサルテーションの実践事例を体験し、その豊かな体験に根拠とするコンサルテーション事例を教材化する。4専門看護師が不得手としていたのは、看護組織やチーム医療など医療・看護体制を基盤としたコンサルテーションアプローチである。集団、組織、地域社会に対するコンサルテーションシステムを構築するプロセスを学習する。122