ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

この科目では、実習が並行して実施されている。これはNMCの基準準拠に相当し、上級年次に求められる知識と技術の基礎になると位置づけられている。科目の目的としては、次の4つが設定されている。1)多文化・多民族コミュニティの人びとが保健医療を経験する際のニーズを調べる。2)看護と保健医療ケアにおける文化的事象に関連する理論と実践を分析する。3)国際的なコミュニティ内で保健医療ケアを提供するときに看護師や他の保健医専門職者の任務に、政治的社会的文脈がどのように影響を与えるかを検証する。4)レヴェル4から5(1年から2年)への移行において、自らが学ぶ姿勢をとることができるようにする。そして、履修を通して学生が期待されている成果は次の6つである。1)文化、人種そして民族性の概念を検討しケアの提供との関係性を批判的に分析する。2)健康と病気信念を批判的に分析し、保健医療専門職者と患者との関係への影響を批判的に分析する。3)多国家およびグローバルなレヴェルでの保健医療への利用可能性と提供にかかわる決定要因を探る。4)保健医療ケアのための文化的フレームワーク、査定ツールそして応用性を評価する5)介入を支援するための証拠に基づいて任意のケア環境における文化事象を検証し考察する。6) 2年次前期に相当する臨床実習アセスメント文書で示されている能力を示す。そして、この科目の履修に際して関連する技術や属性については、コミュニケーション、計算力、情報機器、自学自習の姿勢、他者との連携に関わる知識と技術、問題解決と教育法が示されている。このように、サルフォード大学看護学部で提供されている文化ケアに関わる科目は2段構えになっている。まず理論的側面として、多民族社会英国での看護実践に必要だと思われる基本的知識--文化概念、文化(民族)集団に固有の健康信念というイデオロギー的要素を授業で提供している。そして、その知識を実践の場で試すのである。シラバスからはわかりにくいが、英国中部の北西地方のマンチェスターは南アジア系の市民が地域人口でも高い割合を示している。こうした状況から、多文化対応の一助となる知識を提供する科目設置が必要であるのかもしれない。3-2アメリカ合衆国の場合2000年アメリ合衆国の連邦保健医療とヒューマンサービス省(Department of Healthand Human Service)の少数派保健医療部局(Office of Minority Health)は、保健医療における文化的・言語的に配慮したサービスのための基準(National Standards for22