ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

た」(ibid.)。そして、生徒たちは病院施設で労働を提供していた。このような看護師養成教育は長い間オーストラリアで実践されていた。そして、それは長い間州ごとに定められていた。これが大きく変化したのは1980年代に入ってからである。1984年連邦政府は看護師養成を高校以上の教育機関に移管することを正式に決定し、1993年にそれが完全施行された。今日、オーストラリア国内には36の看護師・助産師学部がある(看護師助産師学部長会資料から)。これらの教育機関では、看護と助産の大学学部と大学院レヴェルの教育を受けることができるようになっている。3-3-A看護師養成教育の認証大学において看護職養成課程で必要な科目を履修し、看護学あるいは応用科学(看護)学位を取得すると、州の看護師・助産師協会によって看護師(一般看護師:general nurse)として登録できるようになった。そして21世紀に入ると、州単位の看護師登録は全国レヴェルへと移行することになった。2010年7月オーストラリア政府は医療従事者規制法(Health Practitioner RegulationNational Law:通称the National Law)を施行した。この法律は、各州政府にも採用され、州ごとの制度整備を行われた。規制法(the National Law)では、医療従事者としての専門性と質を確保するために教育機関の認証を必須と定め、全国認証登録計画(National Accreditation and RegistrationScheme)を施行した。看護・助産の場合、オーストラリア看護・助産委員会(AustralianNursing and Midwifery Council: ANMC 2004[前身は1992年設立のAustralian NursingCouncil])を解消発展させ、オーストラリア看護師・助産師認証委員会(Australian Nursingand Midwifery Accreditation Council)を再編した。この委員会は、看護師・助産師の資格指針を策定し、看護教育の指針と教育カリキュラムの質確保を目指している。オーストラリア全土の大学での看護教育は、この認証指針に基づいている。そして、認証されている大学課程の修了者(学位取得者)は、AHPRAの看護・助産委員会に自らの資格を登録するが、日本と異なり更新する義務を負う。3-3-B大学教育課程の事例ここでは、シドニー大学の看護学部(Sydney Nursing School)を事例としてみる。この機関は大別すると3種のコースを提供している。1つは、看護師資格を目指すためのコースで、学部と大学院の2つの課程がある。2つめは研究を目指すコースで、最後の3番目は、看護師・助産師資格所持者を対象にした技術と知識を向上させるためのコースである。1つめの看護師資格取得を目的とする学部教育には、3年在籍コースと4年在籍コースがある。前者が看護師資格に特化しているのに対して、後者の4年在籍コースでは、他学部の学士学位の取得をめざしながら、修士学位としての看護師資格取得が可能になる(2学25