ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

教育活動の一環として、一定の期間、地域のニーズ等を踏まえた社会奉仕活動を体験することによって、それまで知識として学んできたことを実際のサービス体験に活かし、また実際のサービス体験から自分の学問的取組や進路について新たな視野を得る教育プログラム。サービスラーニングの導入は、1専門教育を通して獲得した専門的な知識・技能の現実社会で実際に活用できる知識・技能への変化、2将来の職業について考える機会の付与、3自らの社会的役割を意識することによる、市民として必要な資質・能力の向上、などの効果が期待できる。(詳細:http://www.human.tsukuba.ac.jp/gakugun/k-pro/aboutSL/aboutSL.html)また、桜井はサービスラーニングについて以下のように整理している(桜井2007)。サービスラーニングはデューイの思想以来の経験学習の伝統があるアメリカにおいて発展した教育形態である。「サービスラーニングは、学生たちが、人々とコミュニティーのニーズに対応した活動に従事する中で学ぶ、経験的学習のひとつの形であり、そこには意識的に学生の学びと成長を促進するように設計された構造的な機会が含まれている。内省と互恵がサービスラーニングの鍵概念となっている。」(Jacoby & associates(1996)の定義)日本におけるサービスラーニングの現状は、1990年代後半から導入され、一般的に普及し始めたのは2000年以降である。J-Globalの用語検索で見ると、2000年以降にサービスラーニングに関する文献が出始め、2011年以降に論文数の増加が見られている。2011年の東日本大震災に対するボランティア活動が盛んにおこなわれたこともあり、ボランティアセンターや体験活動プログラムを設置して、学生が体験しやすい環境を整える大学が増えてきた。例えば、東京大学における体験活動プログラム(http://www.utokyo.ac.jp/stu01/h19_j.html)では、地域の人とふれあうボランティアなどの社会貢献活動や就労体験活動など、64もの企画が用意されており、これらの活動を通じた学びに注目が集まっている。(2)サービスラーニングの教育的効果と本学の教育目標との関係および本学における課題サービスラーニングは日本各地の大学で様々な目的のもとに実践されているが、その教育的効果は次の3点にまとめられる。1)高等教育を受けた者にふさわしい人間性・社会性の形成、2)専門学習への動機づけと理解向上、3)高等教育機関における社会貢献、である(桜井2007)。本学は赤十字の基本原則を基盤とし、地域社会との連携を図り、主体的な学習態度のもとで、看護・介護福祉の分野において社会のニーズに的確に応えることのできる専門性と豊かな人間性を備えた人材の育成を教育方針としている。また、赤十字精神の涵養、災害時の支援活動、ボランティア活動を通じて、自分や身近な社会の問題に「気づき」その原因を考え、問題解決の方法や道筋を「考え」そして解決に向けて「行動する」ことを態度目標としている。2