ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

がどのようにして病気に応じた生活の調整を行っているのか等、療養生活の過程での体験を当事者の視点から明らかにしていく必要がある。そこから腎不全をもつ患者、家族への支援の方向性が見いだされるのではないかと考える。腎不全患者や家族への援助には多くの課題が積み重なっていると思われるが、これまでの研究では、かゆみなどの症状緩和の対策(柿本,2010)、患者の自己管理方法に焦点をあてた研究(野坂,2012)等がなされている。さらに腹膜透析に関しては、家族を対象に治療への協力体制形成過程に着眼した研究(持田,2012)はある。しかし、いずれも医療者の視点に立った研究が多く、当事者の体験という視点からの研究とそれに基づいた支援方法に関する研究は少ない。著者らは、これまで大学教員と臨床で透析患者のケアにあたる看護師との協働で、透析療法(血液透析および腹膜透析)を導入した患者と家族への支援モデルの構築を目的に、その第一段階として、患者や家族の体験を明らかにする研究に取り組んできた。本研究は、これまでの研究で明らかになった患者と家族の体験をふまえて、透析看護に関わる実践家と共同して、アクション・リサーチの方法を用いた「透析療法導入前後の患者・家族への支援モデル」の検討を試みることとする。2)研究目的透析療法を受ける人をケアする看護師の語りを通して、透析療法導入前後の看護支援の課題を明らかにする。3)研究方法(1)研究デザイン本研究は、患者、家族のQOLやセルフケア能力を高めるために、透析を受ける患者、家族の体験や支援ニードに基づくと同時に、看護実践における現状の問題や課題を踏まえて「透析導入前後の支援モデル」を作成し、実施、評価することを目的としている。これらのプロセスを通して、「透析導入前後の支援モデル」の検討を行う計画であるが、そのためには、透析医療に関わる看護師、医師等の実践家との協働が必要となる。そこで、今回は看護研究者と看護実践家が協働して遂行する研究方法であるアクション・リサーチの方法で行うこととした。(2)アクション・リサーチについて「実際のヘルスケアの現場における問題を明確にし、可能な解決策を探るために行う協働的介入」(Alison Morton-Cooper, 2000/2005,p.19)と定義しているMortonの定義と方法に即して実施する。4)研究参加者47