ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

そこで本学の目標はどの程度達成されているか見てみると、東日本大震災の際の被災地ボランティアなどの活動実績がある一方で、大学行事として設けている「ボランティアの日」の活動報告では、自宅の資源ごみの分別や親類の高齢者の訪問など、コミュニティーのニーズとは関連が無い家族内で行うだけの活動をしている学生がいたり、地域の運動会の運営ボランティアや雪かきボランティアなどを募集しても人数が集まらなかったりと、学生全体としては決して積極的に行動できているとは言えない現状がある。また、大学としても、ボランティア活動を推奨はしているが、ボランティア活動が専門性や豊かな人間性の育成にどのように役立っているのかの検証はされておらず、学生本人のボランティア活動に対する振り返りの機会を構造的に設計し準備しているとは言えない状態である。(3)研究の目的本研究は、介護福祉および看護を学ぶ学生を対象に、ボランティア活動の教育的効果について明らかにすることを目的とする。具体的には、日本赤十字秋田県支部と連携し「備え」「救う」「支える」をテーマに防災キャンプを実施するほか、被災地(石巻)への訪問を行い、被災体験者と現地で活動を続けるボランティア双方からの話を聞く機会を持つことでボランティアに対する動機づけを行う。その際、ポートフォリオや成長報告書の作成を通して、自らの活動を振り返る機会をつくることによって、学びの俯瞰が自己の成長につながることを実感できるような教育的関わりを行う。また、防災キャンプを通じて、生活スキルおよび災害時のボランティア活動に対する自信と自覚を持たせ、実際の体験から学んだ経験が、学生自身の自己効力感や社会人基礎力にどのような変化をもたらすか、を検証する。国立青少年教育振興機構の研究によれば、こどもの時代の体験がやる気や生きがいに関連しているということがわかっているので、こども時代の体験や過去のボランティア体験との関連についても分析する。そして、ボランティア活動を通した経験が学生の成長にどうつながるのかを明らかにすることで、本学のカリキュラムにサービスラーニングを導入する際の検討資料とする。2)研究方法(1)調査対象者日本赤十字秋田短期大学・日本赤十字秋田看護大学在籍の学生のうち、掲示および口頭での呼びかけに対して自発的に参加を表明したものとした。ボランティア参加群はプレキャンプおよびボランティア活動に参加する学生55名。対照群はプレキャンプおよびボランティア活動に参加しない学生315名(看護2年106名看護3年115名介護2年43名介護1年51名)。3