ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

1Ⅰ.研究の背景看護学実習は、看護基礎教育において重要な学びの場である。本学は、学生が実習を通して、赤十字の理念を基盤とした「ケアしケアされる」体験をすることを大切にしている。そのために、実習指導者と定期的に実習指導連絡会議を開催し、教員と実習指導者が連携して学生の指導にあたれるよう工夫を重ねてきた。しかしながら、高度医療化による在院日数の短縮化により、学生が実習期間中に複数人の患者を受け持つことになることや、実習環境への適応に時間がかかり、学習が深まらないなどの問題が指摘されている(厚生労働省, 2012)。そのため、臨地実習で学生が効果的に学習するためには、看護基礎教育機関と臨地実習施設のさらなる協働と連携が重要である。現在、実習指導者の養成は、都道府県の委託を受けて看護協会などで実施されているが、研修期間が長いことや定員数に限りがあることから、学生の指導を担当する看護職員すべてが受講できる状況にはない。また、都道府県委託の実習指導者講習会での研修内容は特定の施設に特化していないため、日本赤十字看護大学の理念・実習目的を反映させた特色のある実習指導者研修を展開する必要があると考えた。そこで、本学と赤十字系の実習施設が協働し、本学の理念・実習目的を反映した実習指導者養成のための「実習指導者研修プログラム」を構築することにした。平成25年度プログラムを実施・評価した結果、リフレクションの充実および赤十字系の施設以外にも参加者を拡大させることなどが課題として挙げられた。平成26年度は、前年度に挙げられた課題を反映させ、より洗練させた「実習指導者研修プログラム」を実施し、その効果を明らかにすることを目的とした。Ⅱ.研究目的大学と実習施設が協働企画運営する「実習指導者研修プログラム」の受講者が、どのような学びを得ることができたのか、プログラムの効果を明らかにし、評価を行うことを目的とする。Ⅲ.研究の意義実習指導者研修プログラムを構築することで、赤十字の理念や学生の特性を反映した実習指導を行う手がかりを実習指導者に提供することができる。また、教員や他施設での指導者が研修プログラムの講義や演習でのディスカッションを通して交流を深めることで、ピアサポートの効果も期待できる。そして、この研修を受講した指導者から実習指導を受けることで、学生にとって実習での学びを深めることに寄与し、さらには看護の質の向上に寄与できると考える。また、本研究で得られた成果を、赤十字関連の教育機関・実習施設に還元することは、そこでの看護学実習指導の質を向上させることに寄与し、赤十字から看護基礎教育全体に新たな知見を発信することにつながると考える。Ⅳ.研究方法A.研究参加者日本赤十字看護大学の学生に対して、実習指導にあたる看護職(看護師・助産師)で、「実習指導者研修プログラム」を受講した者のうち、研究参加の同意が得られた者とした。72