ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

16これまで分からなかった学生の緊張や緊張からくる思考を知り、学生の一生懸命さに気づくことに繋がっていた。これらの結果から、実習指導が学生にとって豊かなものになるには、自分自身の関わり方をリフレクションすることや、学生理解を深めることが鍵となることが示唆された。e.結論他施設で実習指導の実際をみる体験は、自分自身の実習指導を振り返り評価し指導のヒントを得る、学生が実習している様子を見て状況をより理解することができ、実習フィールドや実習指導そのものを客観的に見ることが出来る機会となっていた。5.実習指導のリフレクションでの学びa.参加者本研修プログラムの受講者で、リフレクションに参加し研究参加の同意が得られた56名。b.結果(1)実習指導案を作成することで学生に伝えたいことが明確になる。参加者は、研修で実習指導案を作成することで、自分自身が学生に伝えたいことが明確になっていた。小児看護領域では「子どもと触れ合ってもらいたい、触れ合うことによってそこから学んでほしい」、母性看護領域では「分娩に立ち会えて、赤ちゃんが感動のなか産まれるんだっていうことを知ってほしい」、老年看護学領域では「介護士さんたちと協働していく、家族を一緒に支えているんだという思いをわかってもらいたい」と語り、参加者は実習に来る学生を思い描きながら実習指導案を作成することを通して、自分が学生に何を伝えたいかを明確にしていた。(2)学生の緊張がほぐれるように迎え入れる。参加者は、実習中の学生が緊張していることを踏まえ、臨床に学生の居場所を作り、緊張がほぐれるように学生を迎え入れていたことが語られた。参加者は、学生に「一緒にやりましょう」、「次は資料を見に向こうに行きますか」など、「あなたが実習に来ることを知っているんだよということが伝わればいい」と思いながら声をかけていた。そして「今までの学生に比べたらリラックスしてたんじゃないかな」と手ごたえを感じていた参加者もいた。(3)学生への違和感から学生の思いを汲もうとする。参加者は、学生の行動の意味がわからなかったり、状況をどの程度理解しているのかが分からない場面では、まず学生の思いを聴きとろうとしていた。「いったい何をしているんだろうなと思って…まずどう思っているのかを聞いてみて」、「この子にはこの子のなんか、思いがあるんだろうな」と学生の思いを汲みとろうと声掛けをしていた。(4)学生に求めるのではなく学生の視点に合わせる。参加者は、研修前には実習で学生に求めることが高く、学生とのずれがあったことを自覚し、学生に合わせて指導を考えていくことの大切さを語っていた。「この勉強をする前まではレベルの高いところを求めていたなという印象がある」、「自分が求めたいレベルと学生さんのレベルっというのに結構な開きがあって、そこをまず修正することろから始める」、「その学生さんに合わせたところでの指導はなんだろうと考えながら実習を進めるのが大事」と語っていた。87