ブックタイトル平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ページ
94/146

このページは 平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書 の電子ブックに掲載されている94ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

平成26年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

(2)研究方法研究デザイン:質的探索的研究調査期間:2013年7月~2014年9月データ収集・分析方法:看護実践能力強化プロジェクト短期専門家2名の報告書および活動期間中に記載したナラティブ記録をデータとし、ラダー導入のプロセスに従い、質的内容分析を行った。倫理的配慮:日本赤十字九州国際看護大学研究倫理審査委員会の承認を得、イ国保健省ラダー導入担当者、JICA本部プロジェクト担当者へ研究計画書と説明文書とともに協力を依頼し同意を得た。また、研究結果を公表することについても説明し同意を得た。(3)研究結果質的内容分析によりコード化したものから、それぞれ18のサブカテゴリーから12のカテゴリー(促進要因)、26のサブカテゴリーから17のカテゴリー(阻害要因)を抽出した。促進要因には、a.ラダー導入に関わる保健省担当局長の強力なリーダーシップ、b.周囲と強調しながらプロジェクトを推進させる担当部長の強力なリーダーシップの発揮、c.主体的な役割を担う保健省ラダー担当者の自覚の芽生え、d.保健省ラダー担当者の主体的な行動、e.イ国プロジェクトメンバー全員がラダー指標作成過程の共通理解の重要性を認識し行動できる、f.イ国プロジェクトメンバーが各自の強み活かし、目標達成に向けた行動ができる、g.保健省の新たなラダー担当者の起用が課題の見直しと解決につながる、h.短期専門家の拠点を保健省内に確保でき距離が近くなる、i.地方の協力病院のラダー導入担当部門のPDCAサイクル活用により導入促進に動いている、j.ラダーの評価手法についての考え方と今後の方向性を保健省担当部長と共有できる、k.指導から見守りへの短期専門家の役割の変化があげられた。阻害要因には、a.ラダー導入に関係する資源に制限がある、b.海外から得た情報を共通理解し吟味して物事を進める経験が少ない、c.情報発信源であるという保健省の役割認識の薄さ、d.プロジェクトメンバー間の情報共有が困難、e.イ国のプロジェクト関係機関間でのラダー導入についての共通理解不足、f.プロジェクトメンバー各々が課題に着手していない、g.プロジェクトメンバー所属機関で指標作成取り組みに差がある、h.プロジェクトメンバーの多重な役割と権限集中がラダー導入に影響する、i.公式な場での職位による発言の制約、j.プロジェクト関係機関の人的資源に起因する計画的進行の困難、k.優先すべき課題があるとラダー導入が停滞する、l.政治と政策の転換期がラダー導入の優先順位を低くする、n.指標完成がラダー導入の目標達成というプロジェクトメンバーの認識のずれ、m.ラダー導入に関するモニタリングシステムがない、o.プロジェクト関係機関のスケジュール調整が困難、p.短期専門家の適切な派遣期間の調整が困難、q.専門分野に精通し92