ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

(5)老親扶養意識(簡易版東アジア圏域用老親扶養意識尺度)の変化養成講座前後の「老親扶養意(識簡易版東アジア圏域用老親扶養意識尺度)」の変化を表6に示した。「手段的扶養意識」についてみると、2項目において変化がみられた。「老親の介護を他人に任せることは、子どもなら恥ずべきことである」の質問では、受講前に「全く思わない/あまり思わない」と答えた人は59人(83.1%)に対し、受講後は47人(66.2%)であった(p<0.03)。また、「老親が必要とするなら、子どもは無理してでも経済的に援助すべきである」の質問では、受講前に「全く思わない/あまり思わない」と答えた人は54人(76.1%)であったが、受講後は41人(57.7%)であった(p<0.03)。「情緒的扶養意識」についてみると、養成講座前後の回答の割合に変化はみられなかった。「簡易版東アジア圏域用老親扶養意識尺度」におけるCronbach'sα信頼係数を算定すると、「手段的扶養意識」は0.732、「情緒的扶養意識」は0.884であった。(6)介護意識の社会化の変化養成講座受講前後の「介護意識の社会化」の変化を表7に示した。「老親が認知症で介護を必要とする状態になった時は・・(親への介護意識)」の質問については受講前後に変化はなく、「できるなら家族で世話をしたい(家族)」、「できるなら家族と病院・施設の両方で世話をしたい(家族と社会)」と回答した人の割合が多かった。「将来、私が認知症で介護を必要とする状態になったときは・・(自分が認知症を発症したとき、家族に期待する介護意識)」の質問に対し、「できるなら家族で世話をしてほしい(家族)」と受講前に「少し思う/非常に思う」と回答した人は42人(59.2%)、受講後は55人(77.5%)(p<0.03)であった。また、同質問に対し、「できるなら家族と病院・施設の両方で世話をしてほしい(家族と社会)」と受講前に「少し思う/非常に思う」と回答した人は48人(67.6%)、受講後は62人(87.3%)であった。「介護意識の社会化」におけるCronbach'sα信頼係数を算定すると、0.660であった。4)考察本研究は超高齢社会である秋田県にあるA看護大学において、養成講座前後の学生の認知症の人に対する知識、態度、介護意識の社会化を明らかにし、地域包括ケアシステムの教授に関する基礎資料とすることを目的として実施した。三浦ら(2014)は「認知症サポーターやキャラバン・メイトの活動実践や意義をイメージ化し、認知度を高めることを目的とした基礎教育の必要性、認知症高齢者に対する肯定的なイメージ・態度の育成をはかり、認知症の人を身近な存在として意識できる教育の必要性」を述べている。地域包括支12