ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

研究活動報告書1.研究活動テーマ臓器組織の教育用立体モデルの制作-看護専門基礎教育における3Dプリンターの活用と画像アーカイブ構築の試み-2.研究活動組織研究活動者:日本赤十字豊田看護大学・教授・黒川景3.要旨人体の組織構造の理解は、機能を含めたより深い理解のために欠かせないが、初学者にとって組織の立体構造を理解することは容易ではない。教育用の組織立体像のアーカイブ構築を目標として、これまで方法論や手順の確立に取り組んできた。先に、染色を要しない自家蛍光法による組織立体像の撮影条件や、3Dプリンターへの出力法を確立したが、特異的な蛋白を検出して組織構築を明らかにする免疫染色法を、立体構造を保持したまま用いるには、抗体の浸透性の面で大いに改善する必要がある。近年、免疫組織染色を迅速に行う方法として電界攪拌法が開発され、病理検査の実務でも利用されているが、この方法による抗体の組織浸透性を検討した。撮影した立体組織像を回転させて動画で示すと理解が深まることから、ナレーション付きの動画教材を制作し、学内のイントラネットによる映像配信プラットフォームを用いて教材の配信を実践した。4.キーワード組織透明化法、免疫組織化学、共焦点レーザー顕微鏡、形態機能学、医学教育5.研究活動報告(1)研究活動の背景・目的人体の構造と機能をよりよく理解するためには、肉眼的レベルから顕微鏡レベルに至る人体の構造を統合して理解することが重要であるが、肉眼的レベルの構造に比べて顕微鏡レベルの構造は、通常平面による観察手法をとるため、初学者にとって組織の立体構造の把握は容易ではない。実際の教育の場でも、組織像の理解が困難であるとの感想をよく聞く。近年、最先端の研究レベルでは、顕微鏡による撮影法、画像処理技術の進歩、蛍光物質32