ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

抗体を同濃度で反応させ、細胆管に染色性を示さないことを確認した。通常の振盪による抗体反応として、一次抗体、二次抗体を4℃で各3日間反応させた試料における抗体浸透性を検討し、電界撹拌法と比較した。なお、通常の振盪法では、肝類洞の血管内皮マーカーであるLYVE (10μg/ml、MBL)を一次抗体とし、二次抗体にAlexa647でラベルした抗ラット抗体(200倍希釈、ThermoFisher)を反応させて重染色を行い、細胆管と類洞の走行を示した立体画像を、2の動画教材作製に使用した。2効果的な組織立体画像のプレゼンテーション法の検討と動画教材の配信これまでに作製した立体組織像より、共焦点レーザー顕微鏡の画像処理ソフトウェアであるZEN2012(Carl Zeiss社)を用いて回転動画を作製した。提示する画像の角度、回転角度のピッチ、回転速度を検討し調整を行った。解説のナレーションをかんたん!AITalk 3(AI社)で作製し、Adobe Premiere Elements 14 (Adebe社)を用いて動画と音声の編集を行った。編集した動画は、mp4形式に変換した後、映像配信プラットフォームであるクラストリームを用いてアップロードし、日本赤十字豊田看護大学の学内イントラネットで閲覧可能とした。(3)研究活動の結果電界撹拌法で一次抗体、二次抗体各90分ずつ反応させた試料では、試料の表面から細胆管が約40μm染色された(図1a、赤矢頭)。180分では約50μm(図1b、赤矢印)、360分では約75μm染色された(図1c、赤矢印)。一次抗体、二次抗体各3日間ずつ、通常の振盪で反応させた量では、試料の表面から70~75μm染色された(図1d、赤矢印)。電界撹拌法で360分反応させた場合の抗体の浸透は、通常の振盪で3日間かかる浸透距離に匹敵することが示されたが、肝小葉全体が染色されるのには程遠い状況であった。尚、電界撹拌法では、太い血管腔の周囲の細胆管がある程度染色され、ある程度抗体が浸透しているものと思われた。35