ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

研究活動報告書1.研究活動テーマ精神科訪問看護利用者とその家族のストレングスに関する研究―精神科訪問看護師の視座より―2.研究活動組織研究活動者:日本赤十字広島看護大学・助教・磯野洋一3.要旨精神科訪問看護師(以下、訪問看護師)が捉えた精神科訪問看護利用者(以下、利用者)の「環境のストレングスの種類」の類型化と、訪問看護師が利用者の「環境のストレングスと捉えた理由」を明らかにすること目的に、参与観察を参考にしながら、半構成的面接を実施し、質的・帰納的に分析した。結果、訪問看護師31名より、訪問看護師が利用者の「環境のストレングスと捉えた理由」は11のカテゴリと23のサブカテゴリが形成された。「環境のストレングスの種類」は、【家族の存在】【社会の人々の存在】【ピアの存在】【専門職者の存在】【居場所の存在】【ユニバーサルな社会資源の存在】という6つの環境のストレングスに類型化された。考察は、訪問看護師が捉える環境のストレングスは「人的環境」「物的環境」「社会的環境」に区別され、人的・物的環境には社会的環境の要素も含まれており、環境のストレングスとして活用するタイミングの技術が重要である。4.キーワード精神科訪問看護、リカバリー、ストレングス5.研究活動報告(1)研究活動の背景・目的我が国の精神科医療の動向は、入院から地域へと移行している(厚生労働省、2004)。しかし、精神科臨床の現状は、病院報告(病院報告、2010)によると、精神病床における平均在院日数は301日であり、一般病床の18.2日と比べてもはるかに長期の入院期間という実態である。さらに「第2回精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会資料」(厚生労働省、2012)によると、精神疾患は再入院を繰り返しやすいという特徴もある。一方で、精神科訪問看護を受けている統合失調症患者の再入院日数が1/4に減ったとの報告(萱間ら、2005)があり、精神科訪問看護は、精神障がい者が住み慣れた自宅など、地域でより長く生活していくために、欠かせないサービスの一つであるといえる。40