ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

なる環境のストレングスと捉えていた。参加者S氏は「(利用者は)飲んだくれてお兄さんを叩いたらしいけど、でもお兄さんは全然そんなこと気にしない」というように〈受け入れられる体験〉となる環境のストレングスと捉えていた。【社会の人々の存在】社会の人々の存在とは、地域社会で生活をしている日常で、精神障がい者と意識されることなく、一人格者として、就労中のさりげない一言のやりとりや、日々生活でたわいの無い会話をする他者がいることであり、《プライドが高まる体験》《普通の人としての意識》という2つの環境のストレングスと捉える視点より形成されていた。《プライドが高まる体験》プライドが高まる体験とは、精神障がい者という前提はなく、社会の一員としての言葉を掛けられたり、客扱いされること気位が高くなる経験をすることであり、〈嬉しいという感情の沸き起こり〉〈自尊感情の萌芽〉という2つのサブカテゴリから形成されていた。例えば参加者Q氏は「同世代の一緒に働いている子が頑張ろうねと声かけしてくれたら、(利用者の)気持ちがね、上から言われるのとは違う」というように〈嬉しいという感情の沸き起こり〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者G氏は「コンビニが使える。コンビニはちゃんとしてる、(利用者を)お客さん扱いするでしょ。(利用者は)長い入院生活でそういう扱い(お客さん扱い)されたことないでしょ」というように〈自尊感情の萌芽〉となる環境のストレングスと捉えていた。《普通の人としての意識》普通の人としての意識とは、地域コミュニティへコミットメントする機会があり、日常において異性との付き合いがされることであり、〈心的充足感〉〈一住民であることの意識〉という2つのサブカテゴリから形成されていた。例えば参加者O氏は「彼氏に電話はいつでもとってもらえる状況であったり、彼氏が(電話)かけてきて毎日毎日かけてくる(中略)ことが(利用者の)強みになっている」というように〈心的充足感〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者G氏は「(利用者が)町内の人達と仲良くなったんですよね実は。(中略)そこの盆踊りに手伝いに行くとか」というように〈一住民であることの意識〉となる環境のストレングスと捉えていた。【ピアの存在】ピアの存在とは、精神障がい者でしかわかり合えないことがらの分かち合いや、同士の46