ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

奮闘により自らも希望が湧く源となる人々のことであり、《新たな一歩への足がかり》という環境のストレングスと捉える視点より形成されていた。《新たな一歩への足がかり》新たな一歩への足がかりとは、今までの生活とは違う社会的な活動を行うためのきっかけとなりうるもののことであり、〈希望のきっかけづくり〉〈ありのままの自分をだせる〉〈ピアのコミュニティ〉という3つのサブカテゴリから形成されていた。例えば参加者K氏は「(就労の)きっかけは、テレビで精神科のテレビをやっていた時に、入院が長い方が社会復帰していくようなドキュメンタリをみて、あぁ俺も社会との繋がりをゼロにしたくないって希望が湧いてきて、就労支援施設に行ってみようかなという意識がでてきました」というように〈希望のきっかけづくり〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者X氏は「同じパイプが繋がるじゃないですか。大きな病気をされた。私もですよ。真実を語れるじゃないですか」というように〈ありのままの自分をだせる〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者K氏は「(就労支援施設の)お客さんとお話しするのも楽しみにしていたのですが、そこ(就労支援施設)通われる方も精神疾患をお持ちみたいで、今(就労支援施設に)来ていない子は鬱ではないかなっておっしゃっていましたけど、自分からもそういうコミュニティに参加して」というように〈ピアのコミュニティ〉となる環境のストレングスと捉えていた。【専門職者の存在】専門職者の存在とは、精神症状安定や社会資源の調整や利用者と家族の調整を行う人や集団のことであり、《専門的な知識と技術が得られる存在》《対人的つながり》という2つの環境のストレングスと捉える視点より形成されていた。《専門的な知識と技術が得られる存在》専門的な知識と技術が得られる存在とは、陰ながらに行う精神症状のアセスメントや、社会資源の調整のための多職種との協働を行う人や集団のことであり、〈社会と自分を調整してくれる存在〉〈多職種での関わり〉〈専門的な知識としての活用〉という3つのサブカテゴリから形成されていた。例えば参加者α氏は「(利用者に)保証人がなくても入れるお家。(利用者と)一緒に不動産屋に行って、理解のある担当者は病院の口コミで聞いていたので、その人にお願いする形で相談に行った。保証人はなしでよいが、緊急連絡先だけは付けてほしいということで訪問看護ステーションの電話番号を(賃貸)契約書に書いてもよいか(訪問看護ステー47