ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

ションの)上司に相談した」というように〈社会と自分を調整してくれる存在〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者R氏は「ここ(訪問看護ステーション)以外のツールが多くあり、(中略)デイケアのスタッフとか相談室のスタッフとか(訪問看護師が)たくさん相談できるところがある」というように〈多職種での関わり〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者G氏は「社会資源を使っていこうとか、(利用者に)選択してもらおうとか。先ほどの就労Bの人(利用者の)も仕事で雇ってもらえるところ探して見学にいくとか結構やっている」というように〈専門的な知識としての活用〉となる環境のストレングスと捉えていた。《対人的つながり》対人的つながりとは、利用者が家族との関係のみではなく、訪問看護師が間に入ることでの緩衝的な役割をとったり、共に社会へ出ていく信頼関係にある訪問看護師のことであり、〈風通しのよさ〉〈信頼できる訪問看護師の存在〉という2つのサブカテゴリから形成されていた。例えば参加者P氏は「外から人が入ることで、人間関係、お父さんとお母さんとおばあちゃんだけになる。風通しを良くする意味では、(訪問看護が)強みになっていると思います」というように〈風通しのよさ〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者F氏は「その(利用者の)女の子もFさんが言うのなら行くって言って、やっと行ってくれたところなんです」というように、〈信頼できる訪問看護師の存在〉となる環境のストレングスと捉えていた。【居場所の存在】居場所の存在とは、インフォーマル、フォーマルな場を含め、利用者が自分の存在価値や役割意識を確認できたり、またはゆっくりと一人で落ち着ける場があることであり、《生産性の獲得》《安全基地の存在》という2つのカテゴリから形成されていた。《生産性の獲得》生産性の獲得とは、就労施設やその他の職場にて、役割を与えられ、仕事をする場を自分のものにする機会があることであり、〈役割りの獲得〉〈就労支援の存在〉という2つのサブカテゴリから形成されていた。例えば参加者J氏は「(利用者が)アルバイトしていたのですが、とんとん拍子に正社員になりませんかということで、今月から正社員になられたんです」というように〈役割りの獲得〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者δ氏は「(訪問看護ステーションの設置主体である病院の)運営している就労関係48