ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

の施設にパン屋さんがあるのですが、(中略)そこも今後考えていこうと(利用者に)言っています」というように〈就労支援の存在〉となる環境のストレングスと捉えていた。《安全基地の存在》安全基地の存在とは、引きこもる時間の確保ができる自宅の一室であり利用者の城の様な守られた場のことであり、〈安全な場所の存在〉というサブカテゴリから形成されていた。例えば参加者P氏「(利用者の)強みといえば、こもれる部屋がある、ご両親と同居してますのでね、こもれる部屋もあります」というように〈安全な場所の存在〉となる環境のストレングスと捉えていた。【ユニバーサルな社会資源の存在】ユニバーサルな社会資源の存在とは、精神障がいに関わりなく誰でも活用できる場や企画のことであり、《生活の質的変化を及ぼす資源》というカテゴリから形成されていた。《生活の質的変化を及ぼす資源》生活の質的変化を及ぼす資源とは、ちょっとした活動を継続することで喜びを得ることができたり、店での安売りなどを利用して生活の工夫をして喜びを得ることができる場やサービスのことであり、〈喜びを得られるきっかけとなる場〉〈活用できるインフォーマルなサービス〉という2つのサブカテゴリから形成されていた。たとえば参加者E氏は「彼(利用者)の家の向かいに大きな畑があるんです。畑を彼(利用者)にとっての環境のストレングスだと前から思っていたんですよ。春になったから一緒にトマトを植えてそれで毎日水をやったりね、草を取ったりとかで体をもっと動かす機会を増やそうというようになって、トマトを作って最近は収穫してるんで一緒に食べているんです」というように、〈喜びを得られるきっかけとなる場〉となる環境のストレングスと捉えていた。参加者G氏は「スーパーの安売り、皆使ってるね。7時過ぎるとなんか半額になるとかね。だいたい皆みつけるんだよねそういうことって」というように〈活用できるインフォーマルなサービス〉となる環境のストレングスと捉えていた。(4)考察1)環境のストレングスの特徴(1)環境の種類からみた環境のストレングスの特徴本研究では、環境は、物的環境、社会的環境、人的環境にて構成されていると定義している。本研究における環境のストレングスのうち、【家族の存在】【社会の人々の存在】【ピアの存在】【専門職者の存在】の4つの環境のストレングスは「家族」「社会49