ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園教育・研究及び奨学金基金」教育・研究事業報告書

2訪問看護師が実施した訪問時期別の死亡場所の意思決定支援と希望死亡場所での死亡の実現との関連患者の最終的な希望死亡場所は自宅60.4%、病院20.3%、施設1.6%、患者の死亡場所は自宅65.0%、病院33.4%、施設1.6%であった.希望が実現したのは73.8%であった。訪問看護師が実施した死亡場所の意思決定支援は、余命の告知の確認79.7%、未告知の対応8.7%、訪問全時期を通じて余命の理解度の確認45.5~49.7%、生活上に関する予後の説明27.8~31.8%、希望死亡場所の確認78.4~82.4%であった。死亡場所の意思決定支援が希望死亡場所での死亡の実現に寄与しているかどうかを検証した。余命の理解度を確認すること(訪問初期,悪化期,臨死期; p=.001, p=.001,p<.001)、生活上に関する予後の説明を実施すること(訪問初期,悪化期,臨死期;p=.003, p<.001, p<.001)、希望死亡場所の確認をすること(訪問初期,悪化期,臨死期; p<.001, p<.001, p<.001)とには有意な関連が認められた。余命の告知を確認することには関連がみられなかった(p=.542)。患者と家族の希望死亡場所の不一致があった117名の家族に対して何らかの支援を行う家族調整をすること(p=.060)には関連する傾向が認められた(表3)。表3.訪問看護師が実施した訪問時期別死亡場所の意思決定支援と希望死亡場所での死亡の実現との関連患者n= 374 n= 276 n= 98家族n= 363 n= 267 n= 961予後理解を促す支援χ2値患者n= 374n= 276n= 98(df=1)家族n= 363n= 267n= 961余命告知の確認あり298 (79.7) 222 (80.4) 76 (77.6) 0.371 .542 1.12未告知(n=264)の対応あり23 (8.7) 20 (11.1) 3 (3.6) 2.437 .066 2.43余命の理解度の確認あり訪問初期184 (49.2) 150 (54.3) 34 (34.7) 11.177 .001 1.8悪化期186 (49.7) 152 (55.1) 34 (34.7) 12.014 .001 1.8臨死期170 (45.5) 143 (51.8) 27 (27.6) 17.168 <.001 2.24生活上に関する予後の説明あり訪問初期104 (27.8) 88 (31.9) 16 (16.3) 8.719 .003 2.0悪化期119 (31.8) 104 (37.7) 15 (15.3) 16.690 <.001 2.6臨死期107 (28.6) 94 (34.1) 13 (13.3) 15.308 <.001 2.62 1希望死亡場所の確認ありの希確訪問初期297 (79.4) 257 (93.1) 40 (40.8) 120.992 <0.001 5.6望認死悪化期308 (82.4) 263 (95.3) 45 (45.9) 121.301 <0.001 5.5と亡調臨死期303 (81.0) 271 (98.2) 32 (32.7) 201.956 <0.001 8.8場整所2家族調整(n=117)あり44 (37.6) 13 (54.2) 31 (33.3) 3.529 .060 1.2χ2検定全対象者希望死亡場所実現希望死亡場所非実現p値リスク比62