ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

4)自由記載より:赤十字の災害看護リーダーに必要な能力について研修生が考える赤十字の災害看護リーダーに必要な能力についての自由記述を質的に分析した。記述内容から意味のある文脈単位42コードを抽出し、類似性で分類し抽象度を高め、27サブカテゴリー、9カテゴリー、5コアカテゴリーに分類した。赤十字の災害看護リーダーに必要なコアとなる能力は、【現場対応力】、【マネジメント力】、【コーディネート力】、【教育力】、【自律力】の5つが示された(表2-2)。以下、カテゴリーは〔〕、サブカテゴリーは<>、コードは≪≫で示した。(1)現場対応力現場対応力は、〔災害現場での判断と行動〕〔災害現場での災害看護実践〕〔様々な対象とのコミュニケーション〕の3カテゴリーから生成された。(2)マネジメント力マネジメント力は、〔状況対応のマネジメント〕であり、<状況対応リーダーシップ><管理的行動><意思決定><情報処理と臨機応変な対応>の4サブカテゴリーから生成された。管理的行動が災害看護リーダーに必要であることが示された。(3)コーディネーション力コーディネーション力は、〔行政や他機関・医療チームとの連携と調整〕であり、<行政との連携と調整><他機関・医療チームとの連携と調整><組織を超えた組織体制づくり>の3サブカテゴリーから生成された。<行政との連携と調整>は、≪行政の役割、業務を理解し連携できる≫ことや≪行政との連携と調整ができる≫、≪生活復興に関する支援政策を理解する≫という高い能力が示された。(4)教育力教育力は、〔災害看護の人材育成〕〔組織内や地域住民に対する災害教育〕〔災害への備え〕の3カテゴリーから生成された。〔災害看護の人材育成〕としては、≪突発的に起きる災害に特化した対応ができる看護職を育成する≫ために、<災害に対応できる看護師の育成>や<災害看護の次世代リーダーの育成>が示されている。〔組織内や地域住民に対する災害教育〕は、内容として、≪災害の心構えや準備、こころのケア等を啓蒙する≫という<組織内における災害教育>や<地域住民に対する災害教育>が示されている。〔災害の備え〕として、<減災の取り組み>は≪日常から減災に取り組む≫ことや組織的な取り組みとして<災害救護訓練、病院支援訓練への対応>ができることが示された。(5)自律力自律力は、〔様々な環境におけるセルフマネジメント〕の1カテゴリー、<ストレスマネジメント><様々な環境への適応><家族の理解と支援>の3つのサブカテゴリーから構成された。災害看護リーダーとして、≪自身のストレスマネジメントができる≫、≪環境の変化に適応できる≫、≪役割が変化しても適応できる≫、≪災害現場105