ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

研究報告書1.研究テーマ地域の防災等健康危機管理度ガイドラインの開発と評価2.研究組織研究代表者:日本赤十字広島看護大学地域看護学教授眞﨑直子共同研究者:日本赤十字広島看護大学地域看護学准教授松原みゆき日本赤十字広島看護大学地域看護学助教林真二日本赤十字広島看護大学地域看護学講師森本千代子3.要旨【目的】都市型準限界集落における防災等健康危機管理についての概念を明らかにし、同ガイドラインを作成し、その評価を行うことを目的とした。【方法】廿日市市内の都市型準限界集落団地の住民を対象に質問紙調査を行った。分析は記述統計を行い、防災等健康危機管理についての現状把握と事前準備実施率をみた。実施率と基本属性、危機意識と経験の有無による関連については、χ2検定を行った。【結果】調査配布数703人、全項目に回答した384人(54.6%)を有効回答とした。防災の事前準備実施者は、218人(56.8%)であり、現在の居住地に「住み続けたい」と思い、災害時の家族からの支援も得られている者が有意に高かった。【結論】これらの事業による地域の防災健康危機管理の状況や効果を検討していくため、本調査で用いた防災危機管理指標の妥当性を検証していくことが必要であると思われ、その結果を地域住民と共有し、ディスカッションを行った。4.キーワード防災等健康危機管理、都市型準限界集落、ソーシャルキャピタル、地域づくり5.研究報告(1)研究の背景・目的少子高齢化の進行により、共同体としての機能が成り立たない地域が問題となっており、特に農村地域では深刻な状況を迎えている。一方、都市部の郊外住宅団地においても同様な現象が生じており、農村地域とは異なった課題がある1)2)。一時期に集中して開発、分譲された郊外住宅団地は、居住者の階層が偏っており、一斉に高齢化する傾向にある。その上、子供世代が流出し、人口が減少するため、コミュニティの不活性化、近所付き合いの減少、空地・空家の増加、公共交通機関サービスの縮小・廃止などの問題が指摘されている。農村地域では、農作業などの日常の役割があるが、都市部では、男性の定年退職後の社会的役割喪失による引きこもりや周囲からの孤立などの問題もある。さらに、高齢化が進行した地域にあっては特に若い夫婦や子育て世代も孤立化しており、コミュニティへの参加や近所付き合いに不安を持っている人が多い。広島県廿日市市においても大型団地が数ヵ所あり、『第5次廿日市市総合計画』の中で、「住宅団地の活性化」を施策の基本方針としてあげている。平成24年、25年度は、本学134