ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

(3)研究結果A.研究体制の構築平成25年から実施している「腹膜透析および血液透析を受ける人と家族の体験を踏まえた援助の構築」に関する研究において研究参加者となっていたN病院の血液浄化センターおよび腎臓内科病棟の医師、看護師の同意と協力を得た。血液浄化センターの看護職5名と大学教員5名が中核の研究メンバーとなり、アクション・リサーチのための研究組織を構築した。他の共同研究者はアドバイザーとしての役割を担った。中核メンバーによる検討会を月1回開催し、そこで援助課題や援助モデルの抽出のための意見交換を行った。月1回の研究会を重ねることを通して共同研究者間の信頼関係も創られ、研究の目的や意義を共有するとともに、援助モデル構築に対する動機や構築プロセスを共有していくことができた。B.援助課題の明確化本研究に先立ち、赤十字の看護・介護研究助成を受けて、平成26年に透析療法に関わる看護職へのインタビューを行った。その結果、透析を受ける患者への看護に関する困難さや課題が抽出された。透析を受けている患者への看護の課題は、透析治療の受け入れや、セルフケア能力を高めるための援助等多々ある。それらの課題は、保存期の問題やケアの延長線上の課題と繋がっている。従って、保存期の時期から透析導入、あるいは維持を見通したケアをしっかりしておくことが、患者のQOLを高めることに繋がるというのが看護職の共通した認識であった。そこで平成27年度のアクション・リサーチは「慢性腎不全の保存期ケア」に焦点を当て、この時期の援助モデルを構築することを課題とした。平成27年4月から引き続き月1回の検討会での話し合いを行った。その結果、保存期のケアの課題は、次の点にあることが確認できた。1「患者、家族との信頼関係の形成」、2「意思決定援助」、3「セルフケア援助」、4「心理的援助」、5「家族援助」、6他職種連携」、7「倫理的な問題への対応」。C.援助モデル(案)の立案次は、前述した1から7の援助課題に対する具体的な方法、援助の在り方が次の検討課題となった。保存期のケアは外来で行われるため、外来での援助体制と援助方法を具体的に検討し、それをモデル化することが平成27年度の目的となった。下記に検討した結果を具体的に記す。【A病院で取り組んでいる援助体制とケアモデルの検討】A病院の外来診療および看護ケアの仕組みや方法について図式化し、そこで展開されている援助方法の流れを分かりやすく記した(図1)。35