ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

1)多職種カンファレンス:外来開始前約20~30人/日の外来患者の予約があり、当日受診予定の全ての患者に対し、援助方針や課題について30分程度話し合う。検討課題が多く長い時は、1時間位かかることもある。参加メンバーは、当日外来診療を担当する医師、看護師、臨床心理士である。2)多職種カンファレンス:外来終了後外来診療終了後にも、カンファレンスを実施する。対応に困るような患者など、その日の外来時の状況や今後の課題などの情報共有を行い、今後の対応を検討する。時間は30分程度である。外来時間内で対応できないときは、個別でカンファレンスを開く。医療者がどのように介入するかについて方針を検討し、それをスタッフ間で共有する。患者が抱える問題の確認や共有だけでなく、援助の具体的方法や、その際の職種間の役割分担なども話し合う。カンファレンスを受けて患者の診察や面談を実施した後、それらを振り返り、電子カルテに記載する。次回の診療の重点的にアプローチしてほしい部分や課題、方針など追記して、次につなげる。医師は医師、看護師は看護師というように職種別で記録を残し、テンプレートも使用する。3)カンファレンスで検討が必要な場合以下のような場合には、カンファレンスで検討を行っている。・患者の自己管理がうまくいかないとき・看護師だけでは対処できない・問題の原因がわからないような状況にあり、多職種の協力が必要だと感じたとき・面談の順番の検討が必要なとき・患者の受容段階に応じた援助課題が生じたとき・家族関係がよくわからないときc.カンファレンスの意義カンファレンスは、通常は患者にとって問題となっていることの把握、共有とそれに対する援助方法の検討、あるいは実践による変化や評価について話し合われる。医師、看護師、臨床心理師などの医療職者が話し合う場としてのカンファレンスの意義としては、「患者の闘病の歴史を振り返り共有する場」、「患者に関する記録等の文字ではうまく表現できない微妙な情報を多職種間で共有できる」ということが挙げられる。E.面談a.個別化医療を行うための面談の目的面談を行う目的は、患者理解、すなわち「一人ひとりのことをよく知ること」であり、面談で得た情報が個別化医療につながっていく。具体的な目的は以下のとおりである。・患者や家族の生活状況や背景などの基本的理解(初期のインテーク)・病状や治療法などに関する患者や家族の理解の程度の把握・患者や家族の精神的安定や安寧などに向けた心理的援助38