ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

の知見となると考える。そして、医療者がこのような援助モデルを活用し、「チームでケアしています」と患者や家族に伝えることは、患者や家族が自らのニーズや課題に合わせて医療専門職者を選択できることにつながる。このような援助モデルを提示することは、患者や家族にアクセスできる援助の広がりを示すことにもなるだろう。C.長期的なスパンと援助モデル本研究結果から、「カンファレンス」も「面談」も1回で終わるのではなく、患者や家族の状況に合わせて、継続的かつ重層的に行われ、個々に合わせた援助につなげられていた。慢性病は、Long term conditionと言われ、長期にわたる援助が必要とされる。このような長期にわたる継続的かつ重層的なモデルとして、さらにこの援助モデルを発展させていくことが、今後の課題である。(5)結論1.「腎不全を抱える患者と家族の個別ニードに即した援助モデル」を検討し、保存期の援助モデルを明らかにした(図1)。2.「カンファレンス」では、診療の前後での多職種カンファレンスが行われ、患者や家族のニーズや課題を多面的に捉えたアプローチがなされていた。3.「面談」は、どの時期にどのような面談をするか、多職種の誰が担当するか等を吟味していた。「面談」は、患者や家族の状況に合わせて、継続的に展開されていた。4.本研究で明らかにした援助モデルは、「その人を知りたい」その人に関心を寄せて展開される病いをもつ人の体験を重視した個別化援助のモデルである。(6)謝辞本研究は日本赤十字看護介護の研究助成を得て実施した。本研究に協力頂きました看護職、医師、臨床心理士の皆さまには心から感謝申し上げます。(7)引用文献柿本なおみ・内田祥平・尾崎佳代子・他3名(2010).EASEプログラムによる血液透析患者の掻痒感軽減の検証セルフ・モニタリング法を用いた一例.透析ケア,16(3),318-325.持田耕平・青木沙織・森山美知子(2012).腹膜透析治療を開始した患者の家族の透析治療への協力体制形成過程.広島大学保健ジャーナル,10(2),62-71.野坂久美子・中谷信江(2012).保存期から透析導入に至った慢性腎臓病患者の自己管理における看護の検討.インターナショナルNursing Care Reserch,11(3),69-76.Alison Morton-Cooper(2000)/岡本玲子他(2005).ヘルスケアに活かすアクションリサーチ.医学書院.Lubkin,I.M.&Larsen,P.D.(2002)/黒江ゆりこ監訳(2007).クロニックイルネス人と病いの新たなかかわり,医学書院.41