ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

では演習や実習といった主体的に学習を推し進める学習形態が多く導入されているが、大学入学後の学び方と学生の能動的学修への取組にはどのような関連があるのかは明らかにされていない。そのため、看護系大学における教育方法を検討していくためには、学年ごとの実態を把握し、学年ごとに違いが見られるのかを明らかにする必要があると考える。学習スキルについては看護短期大学の学生を対象とした調査はあるものの(吉本・伊藤・堀他,2000;安達・菅野・谷岸他,1997;安達・谷岸・草地他,1998;安達・谷岸・草地他,1999;安達・谷岸・金井,2000)、すでに15年以上前の調査であること、看護系大学生を対象とした調査ではないことから、現代の看護系大学生の実態を把握するには至らない。さらに、今まで受けてきた初等中等教育での学び方とは異なるために看護系大学に入学した後に直面した困難や対処、一方教員が捉える看護系大学生が直面している学び方における困難等は先行研究では明らかにされておらず、看護系大学において能動的学修を促進するための教育方法や内容を具体的に検討するためには不十分である。以上の背景から、看護系大学において学生の実態を考慮した能動的学修の促進、より主体性をもった看護職を育成するために、本研究に取り組むことは必要かつ喫緊の課題である。b.研究目的看護系大学生の学習スキルおよび大学入学後の学習で直面する学び方に関する困難や対処について、学生および教育者両者の立場から明らかにする。これらの結果を踏まえて看護系大学において学生の能動的学修(アクティブ・ラーニング)を促進するための教育のあり方を検討する基礎的資料を得ることを目的とした。c.研究意義第一に、現代の看護系大学の学生の学習スキルおよび学習上の困難や対処や明らかになることで、学生の実態を踏まえた能動的学修を促進するための教育方法や内容を検討することが可能になる。第二に、中等教育から高等教育への連携という観点から、看護系大学生の主体的な力を伸ばすための教育方法について検討することが可能になる。(2)研究方法研究の展開について、第1段階として、平成27年度に学生および教員それぞれに面接調査を実施し、第2段階として、平成28年度に学生を研究対象者とした質問紙調査を進めるという2段階の研究計画を立案した。a.研究参加者(a)学生同一の設置主体の看護系大学6校に在学する看護大学生2年生。各大学4~6名程度とし、総数24~36名程度。ただし、社会人経験者や他大学・専門学校等での学修経験のある者は除いた。3