ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ページ
50/152

このページは 平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書 の電子ブックに掲載されている50ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

CNL研修について、講義演習は、「変革理論、リーダーシップ理論は有用」で、「マイクロシステム分析は事例を通して学ぶ必要がある」とあり、また、「5日ほどの座学は少ない」との意見があった。米国の医療施設での実習は、「実習は重要、知識と実践力は別」で、「シャドーイングは役立つ」、「実習は1週間ほど必要」、「講義・演習と実習の間の期間は短く」との意見があった。CNLの日本への導入については、「日本の医療経済の動向を考えるとCNLは必要」で、「CNLの理解を深めていく」ことが必要で、特に、「病院幹部と師長へのアプローチ」が重要であり、導入しようとする「導入へのトップの強い意思」と「トップのビジョンとストラテジー」が必要である。また、「米国と日本の医療提供システムの違いがある」ことや「CNS、NP、管理者、CNL等、様々なポジションとの棲み分けと協働の明確化」、「ジェネラリストであることの理解」等、「あきらめず、時間をかけて理解を求めて続ける」ことが必要だとの意見があった。また、米国のCNL資格を取得するためのCNL認定試験を受験するためには、「米国の医療システムを理解する必要がある」、「英語での試験はハードルが高い」との意見があった。4)考察近い将来、日本にCNLを導入することを目指して、米国の教育プログラムを持つ聖アンソニー大学より講師を招き、CNL指導者育成研修を2015年6月16日より5日間開催した。また、2016年3月に米国のCNLがいる2医療施設で実習を各1日実施した。受講者は、看護及び健康科学系の修士号を取得している者とした。主な講義・演習内容は、CNLに必要な変革理論、リーダーシップ理論(主にホリゾンタルリーダーシップ)、CNLの役割、EBPの臨床実践への活用、マイクロシステムアナライシスについて実施された。今後、日本にてCNL育成研修を行う場合、どの教科を強化する必要があるか、また、看護経験年数、看護管理経験年数、学位の領域、職種によって、研修の理解度、難易度、既存の知識、有効性に違いがあるのか。それによって、プログラムの編成や受講要件を考慮する必要があるのかを検討するために、受講者に研修の教科毎に講義終了後、アンケート調査を実施した。その結果、全体では、理解度、難易度、既存の知識について、看護経験年数、看護管理経験年数、学位の領域、職位によって差がなかったが、どの教科目も中位を示し、研修プログラムに必要な科目であることが明らかとなった。学位領域;看護系以外の者は、変革理論、リーダーシップ、CNLの役割について、既存の知識が下位となっており、看護系領域の学位取得者より低い値となっていたことは、上記教科目の学習機会が少なかったことを示しており、看護系以外の学位取得者にはより学習を強化する必要がある。また、マイクロシステムアナライシスは、難易度、既存の知識において、看護経験年数25年以48