ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

下、看護管理経験10年以下において下位を示し、分析力には、ある程度の経験年数が必要であることが示唆された。当該科目は、全体に下位が多く、学習内容をより強化する必要がある。CNLの役割については、既存の知識において、看護経験年数、看護管理経験年数、学位の領域、職位のどの分類項目にも下位が多く、日本では、まだ新しい知識であることから、十分な理解を深める教育内容にする必要がある。また、実習は、シャドーイングを中心とした研修とし、講義・演習と実習の繋がりや実習での学び、今後役に立つこと、CNL導入についてのアンケート調査を実施した。実習は、講義・演習で得た知識から具体的にイメージ化でき、理論と実際が統合されて理解できたこと、CNLの役割を実践できるようになるには、実習は必須であることが示唆された。特に、講義・演習にはなかったCNLの強い横の繋がりや前向きな姿勢、ケアやスタッフ・多職種に接する真摯な態度に感銘を受けたことは大きい。今回の実習の期間は2日間であったが、1週間ほど必要であるとの意見があり、実習期間については検討する必要がある。米国のCNLの導入の経緯やCNL活動を見て、日本への導入の必要性も強く感じている。そのためには、CNLの役割やケアの質向上、経済性、医療安全などの効果をより広く理解を深めること、管理者が導入の意思を強く持ち、リーダーシップを発揮することが求められる。今回の研修は、日本にCNLの導入を目指して、CNL教育ができる指導者の育成を目的とする第一歩であった。指導者になるためには、まずは米国のCNL認定試験を受験し、合格して認定を受ける必要がある。実習を終えた受講生は、試験にチャレンジしたが、残念ながら不合格であった。これは、英語とコンピュターシステムでの試験のためにハードルが高かったこと、米国の医療提供システムの理解が不十分だったことなどが不合格となった要因と考えられる。再チャレンジを望んでいる。また、筆者は、2016年1月ロサンジェルスで開催されたCNLサミットに参加し、開会式でCNLの日本への導入に向けての研修を実施していることを述べた挨拶をし、研修について示説を行った。アメリカ看護大学協会会長や多くの米国CNLから支持を得ることができた。聖アンソニー大学は、CNL指導者育成の権利を2018年まで有しているため、本年6月に再度研修を実施することにしており、この研修成果も含めて、最終的にCNL研修プログラムを開発することにしている。5)結論1CNL指導者育成研修プログラムの主な教科目「変革理論」、「リーダーシップ:ホリゾンタルリーダーシップ」、「CNLの役割」、「マイクロシステムアナライシス」は、受講者の看護経験年数、看護管理経験年数、学位領域、職位において、理解度、難易度、既存の知識、有効性のいずれも差はなかった。49