ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

研究報告書1.研究テーマ特別養護老人ホームにおける多職種連携による看取りケアの質改善活動の実践2.研究組織研究代表者:日本赤十字豊田看護大学・准教授・小林尚司共同研究者:特別養護老人ホーム安立荘・看護師・濱崎幸代特別養護老人ホーム安立荘・看護師・高橋志帆3.要旨特別養護老人ホームの看取りにおいては、どのように看取りケアを行うのかを検討する段階から、多職種連携が欠かせない。今回、施設内の様々な職種によってメンバーが構成された、看取りケアを改善させるためのプロジェクトチーム(以下、プロジェクトチーム)を発足させ、2年間にわたって、看取りケアに関する検討を行うとともに、検討結果を実践に結び付けるための活動を行った。活動内容は、「看取りケアマニュアルの改訂」「家族との関係を深めるための全職員に対する働きかけの実施」「偲びのカンファレンスの開催」「プロジェクトチーム活動の施設内へ周知」「静養室(看取りの高齢者の個室)の整備」に整理された。プロジェクトチームのメンバーは、自らの専門性と業務の特性に照らして、自分ができることを考えて、役割を果たしていることが伺えた。4.キーワード特別養護老人ホーム、看取りケア、多職種チーム、多職種連携5.研究報告(1)研究の背景・目的わが国では、2006年に特別養護老人ホーム(以下、特養とする)で要介護高齢者を看取ることを促す看取り介護加算制度が創設され、看取りを行う特養と特養で死を迎える高齢者は増加する傾向にある(池崎ら,2012:総務省,2014)。看取り介護加算の算定要件(厚生労働省,2015)には、看護師の常勤配置と24時間の連絡体制が義務づけられており、看護師に対して重要な役割を果たすことが期待されていることがうかがえる。しかし、看護職員の中には、看取りの目標や計画を立てたり結果を評価することができず、戸惑っている者が多くおり(流石ら, 2007)、その背景には、特養の看取りはまだ歴史が浅いために、看取りケ54