ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

質について評価ができていなかった。また、施設の職員も、今の看取りケアで良いのかという不安を感じていた。そこで、プロジェクトチームが組織化され、そこに看護大学の教員1名が参加し、施設の看取りケア改善のための活動を行うこととなった。4)プロジェクトチームの活動内容1定例会議の開催プロジェクトチームの定例会議を、毎月1回日勤の終了後に開催し、看取りケアの現状、課題及び対策、実施について話し合い、これをもとに様々な活動を行った(表1参照)。表1.定例会議の概要年月主な内容201312月看取りケアの現状分析:1誰が看取り対応の高齢者か、またはどうなると看取り対応になるのかを共通理解できていない。2状態把握(危険な状態なのか、または様子を見てよいのかの判断)ができない。3良い看取りが出来てないと感じるといった状況を確認した。1月看取りケアマニュアルの現状分析:1具体的どのようにして良いかが分からない、2マニュアルがあることを知らない、といった状況が確認された。マニュアルを新たに作成することとなった。2月新しい看取りケアマニュアルの内容の検討:どういった内容が必要かを確認し、素案を作成した。次の会議で見直すこととした。3月新しい看取りケアマニュアルの完成:マニュアルの内容を確認し、職員への説明方法を検討した。また、ケア内容で改善が必要なポイントを検討したところ、日頃から家族との関係が希薄で、希望や思いを十分に知らないことが挙げられた。家族との関わりについて職員調査を行うこととした。4月家族との関わりについての調査の結果:「挨拶以上の話しができてない」「どこの家族かが分からない」「家族は職員に遠慮していると感じる」という結果が得られた。職員に対して、家族への関わりを増やそうと働き2014かけることとした。5月家族への関わりを増やす働きかけの結果:職員から「良い取り組みだ」「コミュニケーションが増えた」「関わり難さを感じる家族がいる」等の意見があった。偲びのカンファレンス実施報告。具体的な話しかけ方のコツを全職員に伝達することになった。6月話しかけ方のコツの伝達の結果:職員からの反応は無かった。その理由としては、「関わり難さを感じる家族がいる」との意見が職員の中にあったことを伝えていないために、なぜそのようなコツが伝達されるのかがわからなかったことが考えられた。プロジェクトチームによる活動の内容と、それらを施設内に伝えることの必要性をチームで認識した。7月家族に自分の顔と名前を憶えてもらおうとする働きかけ:その際に、プロジェクトチームの活動内容を、職員に知ってもらうための資料(看取り通信)を作ることとした。プロジェクトチームが「施設内の情報を集めて、検討し、施設内に公開する」を行うことを職員に理解してもらうことを意識した。偲びのカンファレンス実施。56