ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

たり感染症を発症した高齢者を隔離するための部屋であったために、無機質であり、家族が付き添いするための設備はなかった。施設としても改装する予定であったが、どのように改装するとよいかについて具体的なアイディアはなかった。そこで、Cホームと同じ従来型の特養で、施設内で看取った経験が多い施設を訪問し、静養室を見学した。見学内容は、プロジェクトチームの中で重要なポイントを精選して施設全体の職員会議で報告するとともに、職員の静養室に対する意見を集めて、改装の原案を成した。原案の主な内容は、「床をカーペット敷きにする」「カーテンをなるべく一般家庭の雰囲気に近いものにする」「家族が身体を休めることができる大きめの椅子を置く」「静かに開閉できる扉にする」「テレビ・CDプレイヤーなどのためのコンセントの増設」などである。施設管理者はチームの原案を概ね了承し、可能な箇所から改装工事が始まっている。(3)メンバーによる活動の振り返り1)データ収集の方法看取りケア改善プロジェクトチームの活動内容を整理し(表1)、自由記載の自記式質問紙とともに、プロジェクトチームの各メンバーに配布した。質問紙の内容は、自分自身の活動内容の振り返り(1自分はどのような役割を果たしたか、2その際どのようなことを考えたか)とした。調査は、2015年7月に行った。2)分析方法質問紙調査に記載された内容を職種ごとに整理し、看取りケア改善のための他職種協働のチーム活動の中で、各職種がどのようなことを考え、どのような役割を担ったと考えているかをまとめた。3)倫理的配慮Aホームの施設長に、文書を用いて、調査目的と意義、研究方法、対象となる施設及びそのスタッフの権利擁護と個人情報保護に関して説明し、文書で同意を得た。その後、看取りケアプロジェクトチームのメンバー全員に、施設長と同じ内容の文書を用いて説明し、文書で同意を得た。本調査の実施にあたっては、日本赤十字豊田看護大学の研究倫理審査委員会の承認(承認番号2612)を受けた。4)結果1看護職員看護職員は、自分が果たした役割として「看取りマニュアルの活用状況の振り返り」「新マニュアル案の作成」「新マニュアルによる研修」を挙げており、新しいマニュアルを作成し施設に普及させる過程に貢献できたと考えていた。また、「他施設の静養室の見学と施設職員への報告」というように、高齢者の終末期をどのようにケアするかの60