ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

ページ
64/152

このページは 平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書 の電子ブックに掲載されている64ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

のいうミドルレベルのマネジメントに該当し、この部分を多職種連携して行っていることに特色があると考える。このことを、図1に示した。特養の看取りは、2006年に看取り介護加算制度が創設され、特養の看取り数は普及している。しかし、篠田ら(2013)は、「(多職種)チームが協働する体制・仕組みづくり」と「情報伝達改善の工夫」を、特養の看取りにおける課題に挙げておりる。このことから、看取りの実施においてはまだ課題があり、特に各職種の立場を超えたケアチーム全体のマネジメントが不十分であることが推察される。今回、本プロジェクトチームの活動内容として、看取りケアマニュアルの改訂や、職員と家族の関係性を深めること、静養室の改修といった対応策を検討した。さらにはその対策を職員へ周知することで、施設全体で看取りが実行することにつなげていた。プロジェクトチームの活動の中で、チームが協働する仕組みづくりや、情報伝達について検討し、実践したと言える。その結果としては、職員からはこの1年間で「ケアの質が向上した」との意見が得られており、プロジェクトチームの活動は看取りケアの改善に対して、具体的な成果をもたらしていると考えられる。また、看取りケアの改善の検討を多職種で行ったことから、すべての職員が理解できたり、働き方の実情に応じて活用しやすくなっているとともに、各職員の立場で納得できる仕組みや情報共有になっていることが考えられる。以上のことから、特養における看取りケアの質の向上を図るには、多職種でチームを構成してケアのあり方を検討することが有効であることが示唆された。今後は、実際に、このように作られた体制が、どのように機能しているかを評価することが必要である。62