ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

要な急性期看護を中核とした看護教育を実施していることが多いだろう。もちろん、人材育成は、大学といった教育機関のみで行われるわけではないが、赤十字の使命を考えるならば、看護大学の卒業生の中からも、国際的な人道支援に貢献するような人材が生まれてほしいものである。このためには、人道の原則と、それに基づく支援について理解のある人材を育成することができることが望ましいと考えられる。この研究は、その第一歩として、ポジティブ心理学を基盤として、赤十字における人道に基づく教育の基礎的資料を提供することをめざしたものである。ここでは、下記の3種類の方法を用いて検討した。なお、Ⅱの研究がやや遅れてしまったことに伴って、計画として、Ⅲで実施することになっていた質問票の開発が困難になり、学生を対象とした研究は、質問紙調査ではなくインタビュー調査に切り替えて実施した。以下、結果の概要を報告する。<Ⅰ.既存資料の分析>既存資料の対象としてはさまざまなものが考えられるが、当初予定していた歴史的資料の分析は、本研究の申請時には想定していなかった河合の転出のために実質的に困難になったので、ここでは歴史的分析というよりも、現在の赤十字看護の教育実践に直接的な影響力をもっている方々の言説を分析することを試みた。そこで、ここでは、赤十字看護で長年にわたって活動してきた方々による記録として日本赤十字看護学会から記念出版された「伝えたい看護の技ひとこと集」を素材として、デジタル化して、フリーソフトウェア茶筅によってテキスト分析を行った。はじめに品詞別の出現頻度とスコア(後述)を示した。名詞では、当然であるが、「看護」が群を抜いて出現頻度や第1位で、次が「赤十字」であった。このことから、この資料を分析対象として用いることについての、一定の外的な妥当性があることが判断することができると考えられた。スコアに注目すると、「看護」続いて「患者」が高く、続いて「看護師」であるが、「病棟」、「救急」、「関わり」に続いて「人道」があがっており、この著者たちにとって、看護の技を支える原理として、「人道」が大きな位置づけをもっていることが示されているといえる。これに関連して「関わり」という人間関係を示す言葉が上位にあることが特徴であるといえる。66