ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

また、大部分の人たちでは、このような変化は、今後の生活や人生にも大きな影響を与えるだろうと考えており、これは、自分の変化の内容として、どのようなことを述べたのかとは特に関連しておらず、基本的には、座学ではなく経験によって得たものは、大きな影響を与えるということであると考えられた。一方、これらの経験と、自分が赤十字の看護大学生であることとの関連は特に強く意識されておらず、自分たちの活動が、人道的支援の範囲に入るものと考えているのは、ごく少数であった。ただし、他大学の学生や、知り合いの人たちからは、赤十字の大学に所属していることと、自分のボランティア活動に関連があると言われている人たちは少なくなかった。つまり、周囲からは、赤十字の大学生だから、ボランティア活動をしているのだと思われているということである。しかし、このことについて深く考えている人はほとんどいなかった。全体としてみれば、ボランティア活動を、赤十字の人道と結び付けて考えているものはおらず、また、自分の変化についても、人道と関連づけて理解している学生は全くいなかった。先に、川嶋先生の意見では、授業で人道を教える必要はないということであったが、そもそも、人道という言葉や概念に対して、ほとんど馴染みがない(博愛とは全く違うものととらえている学生がいるなど)という印象があり、これは、赤十字の人道について、個人の理念や行動の原理になるものととらえていないということであり、一定の基礎は必要ではないかと思われた。<Ⅳ.まとめ>ボランティア活動については、日本赤十字北海道看護大学の山本・尾山・根元による「看護学生と看護系以外の大学生のボランティア活動と対人関係づくりに必要な社会的スキルとの関連」の報告がある。調査方法はまったく異なるが、そこでは、ボランティア活動による経験として割合が高かった項目は、「人との出会い」、「視野が広がった」、「他者理解」であり、「自分に自信が持てた」、「新たな自分の発見」や、「社会への関心」「自分の生活の見直し」はあまり上がらなかったとしている。これは、彼らの報告の対象のボランティア学生では、不定期で1回か2回が半数以上であり、これと比較すると、今回インタビューに協力してくれた学生は、全て自分たちで計画し、活動費用も自費であり、活動期間の長さ、活動内容についてもすべてがかなりハードであったので、大変なコストを払って経験した結果として、自信が高まり生活の見直しも大きく示されたと考えられた。74