ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

(2)研究方法<研究デザイン>東日本大震災当時の学生の経験を分析するためには、震災発生時以降の状況における当事者の体験を詳細に記述し解釈することが必要となる。そのため、半構成的インタビュー法を用い、記述に基づく質的研究である。<研究参加者>東日本大震災時(2011年)に看護学生であった看護職4名であった。震災当時に看護学生1年から3年生(4年生)であった看護職は、その後4年経過し、2015年現在で臨床経験1年目から4年目となっている。ゆえに、東日本大震災を看護学生として経験した臨床経験1年目から4年目の看護職と対象とした。また、災害時の体験に関して語ることができる安定した心身の状態にある人が参加者の条件とした。<調査場所>東日本大震災による被害を受けた看護系教育機関(専門学校、短期大学、看護系大学)<調査期間>平成27年6月~平成28年3月<データ収集>災害発生時に看護学生であった看護職の経験を分析するためには、災害発生時の文脈との関連で、その出来事をどのように意味づけたかに焦点をあてながら詳細なデータを収集する必要がある。そこでインタビューガイドに沿って、時間を設けて半構成的インタビューを行った。研究参加者との信頼関係を築きつつ、プライバシーに配慮しながら、インタビューの時間や場所を設定し、上記のことについて50分程度のインタビューを行った。その際、研究参加者の心理状態や疲労などに配慮して、負担のかからないように注意した。インタビューでは、震災発生時から今日に至るまでの間で記憶に残っていることやその意味づけ、また体験を通して教育機関や教員に要望することなどについて、半構成的なインタビューを行った。なお、震災時の体験を思い出すことで参加者の心理的ストレスが増加されることも予測されるため、インタビューが負担になる状況が予測される場合は、一旦インタビューを中断するなど研究参加者への十分な配慮を行った。インタビューによる心身の負担が懸念される場合は、医療機関の管理者と連携をとり、その後のフォローを依頼することとした。<分析方法>分析は以下の手順で行う。1逐語録におこした、当事者の体験に関するインタビューデータを深く読み込んだ。2震災発生時から今日に至るまでの事象とその意味付けについて、その時の迷いや感情等も含めて、時間経過に即して一人ずつ分析した。3その上で事例毎に、震災時の体験に関する理解を深め、当事者の価値や関心との関連で、個別にその特徴的な文脈を視点に分析し、個々の体験として再構成した。4それらに基づいて、震災時に76