ブックタイトル平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

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概要

平成27年度「学校法人日本赤十字学園赤十字と看護・介護に関する研究助成」研究報告書

教育現場で何が起きたか、学生の視点から、その時の判断や行動の特徴、学生支援に関して必要な課題や対応について表すため、特徴的な内容や類似している内容を比較検討しながら分類し、テーマを抽出した。テーマを再度、文脈と照らし合わせながら、時系列に並べて大テーマを抽出し、フェーズに分けた。記述に当たっては、大テーマを【】、テーマを<>で表した。<倫理的配慮>日本赤十字看護大学の研究倫理審査委員会および関連施設の倫理審査を経て実施した。本研究は、東日本大震災時に看護学生であった看護職に体験を語ってもらうという方法をとった。そのため、過去や現在での苦痛を語ることによって辛い体験を再体験する可能性がある。過去を語り、振り返ることに伴う研究対象者の負担に十分配慮して研究を行う必要があった。それを防ぐために、まず語ることが自己の浄化や再生に向えるような対話的インタビューを行うよう心掛け、もし、心的負担が懸念される場合、あるいは語った後で、心的ストレスが起こった場合は、フォローを受けられるよう連携体制を整えた。(3)結果a.属性対象者は4名の看護師であり、男性2名、女性2名であった。震災発生時の学年は1年生が3名、2年生が1名であった。対象者へのインタビューは1回行い、時間は60~80分であった(表1)。表1.対象者の背景性別発災当時の学年インタビュー時の状況看護師経験年数年齢結婚の有無Sさん男性1年3年24歳なしMさん男性1年3年24歳ありCさん女性2年4年25歳なしAさん女性1年3年24歳なしb.災発当時に看護学生だった看護師の体験災発当時に看護学生だった看護師の語りは、ほぼ時間軸に沿っていたが、それぞれの体験の深さとその時期はさまざまであった。災発当時に看護学生だった看護師の体験は、3つのフェーズで分けられ、第1フェーズは【校庭に移動して小学校へ避難】、第2フェーズは【小学校でのサバイバル生活】、第3フェーズは【自宅に戻ってから学校再開までの生活】であった(表2)。77